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KANON 終わらない悪夢
30美汐の嫁入り、栞の復讐
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と思ったが、携帯と受話器を上下逆にドッキングさせて通話する、という原始的な方法で繋いだが、特にハウリングも起こさず通話できた。
「お前もっ、川澄舞も始末してやるっ、首を洗って待っていろっ!」
「あの、電話代わりました。秋子さんの甥で相沢祐一です」
「相沢様……」
 一瞬で罵倒が止み、沈黙が続いた。
「え〜と? そちらですと俺達って、アラヒトガミとか言うんでしたか?」
「左様です」
「すいません、今朝から真琴さんとお付き合いすることになりまして、色々あったんですが、美坂栞と香里から使い魔を取り出して川澄舞に返したんです、それから倉田佐祐理さんにも入っていたので……」
 グダグダな説明だったが、何とか話し続け「佐祐理さんが真琴に魔物を譲って、体を強くしてもらうことにして移動させた」のを理解してもらった。
「お嬢さんが病気で死んだり、簡単に殺されないようになると思いますので許して下さい、川澄舞にも手出ししないようお願いします」
 それからも数件説明し終わり、真琴の目が「サンキュー」表示に変わった所で本人が出た。
「ごめんなさい相沢くん、本家に秋子様から電話があって、それがお叱りだと思い込んだ人が大勢いたみたいで……」
 若い人物には理解できても、ある思考に凝り固まっている人物には逆の指示が頭の中で勝手に生み出され、今まで魔物が憑いていた人物や、舞の討伐まで行うよう下知が下されたと思い込んだ妖狐の一族。
 月宮の家がこれなら、天野の家も同じだろうと思って美汐が心配になった。
「じゃあ、また何か有ったら電話してくれ、天野の方も心配だから一旦切るよ」
「はい」

 電話を置くとすぐにベルが鳴って、何となく美汐からの電話だと思えた。この家の電話など知らないはずの美汐からの家電で、「舞と秋子さんと同じ方法で掛けたんだろうな」と納得して通話する。
「もしもし、相沢さんですかっ?」
 思いっきり怒気を含んだ声で言われ、結構危険を感じちゃう祐一クン。
 さっき思わずチューして魔物を取り出そうとしたのがマズかったのか、佐祐理お姉ちゃんまでキスしてキチェサージャリアンの能力でスタンドをオーダーしたのがマズかったのか不明だが、非常にご機嫌が悪そうな美汐。
「ああ、無事だったか」
「一体何をしたんですか? 今、私の周りで何が起こっているか分かってますか?」
「いや、秋子さんが電話して、お前の中にも使い魔がいるから無傷で送れって言っただけなんだけど」
「そうでしたか。さっき急に呼びだされて、今からっ、私がっ、相沢さんの所へっ、嫁入りする準備がっ、されてるんですっ! どうするんですかっ?」
 めっさ怒られた。
(テヘッ)
 どうやら天野の家に秋子ちゃんが「YOU来ちゃいなYO」と一言いえば、嫁入り支度させてからデリバリーするらしい。

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