暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
30美汐の嫁入り、栞の復讐
[12/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
魔が人の命を集めているようです。憑依されていた人物は、美坂香里、美坂栞、倉田佐祐理の三名でしたが、今は抜き出されて開放されています。現在憑依されているのは月宮真琴、天野美汐の二名、その二人はこちらに任せて下さい、全員祐一さんの嫁候補ですので無傷で送るか、何もしないように』
 そこで、秋子の家に盗聴器を仕掛け、電話の内容も聞いた四名が腰を抜かした。
((((うそ〜〜ん))))
 月宮の里や天野本家に直通電話で命令されてしまい、「今は災厄の真っ最中で、真琴と美汐に魔物が入ってるからこっちに送れ」と切り出した秋子ちゃん。
 今言った「無傷」の概念がどこまで尊重されるのか分からないが「名誉殺人」をやりたくて仕方がない連中や、秋子様に媚びたくて仕方ない連中が曲解して、以前憑依されていた者や、今入っている二人をゴミのように扱い、「無傷で何もしないように、とは気を利かせて狩り出して、一番に首を持って行った者が褒めてもらえる」と思い込む事態になった。
『先ほど美汐さんを迎えにいかせましたが、仕度が必要と言われて帰されました、二人共絶対に傷を付けないで出頭させて下さい』
「承りましたっ、美汐を出頭させます」
「確かに承りましたっ、月宮の者に不手際があったようでお詫びします」

 電話が切られると、余り時間を置かず月宮真琴の携帯電話が鳴った。嫌々電話に出ると即座に罵倒され、キャッチホンの呼び出しも鳴り、複数の電話を待たせている状態になった。
「お前は人かっ? 使い魔かっ?」
「人です、お館様……」
「術者が使い魔に憑依されるとは何事かっ! 秋子様からの電話で知らされるなど、あってはならぬ失態っ、死んで詫びよっ!」
 どこからか分からないが、猛烈に叱られている真琴。当然のように電話の相手は「無傷」の話など全く理解しておらず、「嫁候補」の単語すら頭に入らないほどのマヌケである。もう真琴も半泣きで、目の中の文字が「ヘルプミー」表示になっていた。
「相沢くんに電話してみるっ」
 チョロインさんが家電に走ったが、反論も許されない相手なのか、罵倒を聴き続けている真琴。

「祐一さんに電話ですよ、今夜は忙しくなりそうですね」
 予想通り秋子の電話で大事になり、自分の話を理解できない低能が「秋子様のお手を煩わせる前に始末させて頂きます」などと曲解して、無能どもが魔物が抜けた三人まで狙い、残っている二人を傷だらけにして半死半生で提出したがる人物が並び、術者の舞まで討伐しようとしていた、
、逆にそれこそが褒めてもらえる方便と信じ込んでいる老人が多いようで、さらに人間嫌いが悪化した秋子。
「は? 俺に?」
 事態を理解する前に電話が鳴り、祐一が取るとチョロインさんの叫び声が聞こえた。
「相沢くん? お嬢が大変なのっ、助けてあげてっ」
 電話でどうするのか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ