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KANON 終わらない悪夢
30美汐の嫁入り、栞の復讐
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 名雪が帰って来たので天使の人形と一弥が消え、純血の妖狐である真琴は力を使い果たしたのか眠りに付いた。
 月宮真琴一行はダッシュで逃げ出し、栞は天使の人形と「僕と契約して魔法少女になってよ」みたいな状態になって、復讐をするためデート中。
 佐祐理は「アマノミシオ」という少女の情報を聞き出すために舞を連れて残っていた。

「さて、どこまで話しましたか?」
「はい、天野さんという子の中にも、舞の魔物がいるとお伺いした所です」
 政治的な取引には関われない祐一は、帰った客人の湯呑みを片付け、天使の人形達が食べた毒物の皿を流し台で水に漬けた。
「その子については祐一さんの方が詳しいですよ、真琴が起きていれば連れて行ってお話もできたと思いますけど、今日は寝かせてやって下さい」
「そうですか、できれば日が暮れる前にお会いしたかったんですけど?」
 戻って来た祐一を見て、「今日中に天野さんに会っておかないと、一手遅れて不利になる」と目で語る佐祐理。
「え? 真琴が帰って来たって言えば、話ぐらいはできると思うけど、電話も知らないし」
「舞はその子に電話できますか?」
「…さあ、どの子か分からない」
 魔物を内偵していた頃も、怪しげな相手はいたが、どれがアマノミシオかまでは分からない舞。
「私から電話すると大事になりそうですけど、それでも良かったら電話しますよ」
「はい、お願いします」
 秋子様から天野家に電話するのが、どれほどの事なのか理解していなかった佐祐理は、手遅れになるよりはましかと思い、気軽に頼んでしまった。
『天野美汐、現在地、直通』
 またプッシュもせず電話をする秋子、倉田家のように直通の内線は無かったので、現在天野家本家に呼ばれている美汐の近くに繋がった。
『天野さんのお宅ですか? 水瀬秋子と申しますが、美汐さんはいらっしゃいますでしょうか?』
「はい…… 少々お待ち下さい」
 妖狐の血族である秋子からの命令を受け、走って呼びに行く親族。これが失態なら大変な事件で、「美汐に使い魔が宿っている」と知られた時点で名誉殺人が待ち構え、「祐一様からのお誘い」なら出前のピザ並のスピードで配達される事態になった。
「じゃあ、祐一さん、お話して下さい。魔物の話はしないで下さいね」
「あ、はい」
 受話器を渡されて待つと、すぐに本人が出た。電話機の機能で天野家の人間にも聞かれているので、もし失言があれば美汐も和製アイアンメイデンにブチ込まれる運命にあった。
「もしもし、美汐です。どなたですか?」
 秋子と祐一が重要人物と知らず、なぜ自分の居場所に電話がかかるのかも理解していない美汐。
「ああ、天野か? 俺、相沢だ」
「は? 相沢さん? どうして相沢さんが私の居場所を知ってるんですか? ストーカーですか?」
「よく分から
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