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KANON 終わらない悪夢
29秋子ちゃんvs佐祐理、真琴の帰還
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しまう」という最悪の公式を聞いて、病んだ表情で名雪を睨む。
『貴方が一弥をっ!』
 数年ぶりに再会出来た弟を思い、拒否されたのも恐怖を感じさせられたのも忘れ、追い払ってしまった名雪に怒って、歯を食いしばって足取りも乱暴に向かって行く佐祐理。この二人には決定的な溝ができた。
『やめなさいっ、一弥君や貴方が「生きて」いられたのは名雪のお陰ですよ』
 ただの霊体ではなく、一弥を「生きている魔物」と言った秋子。佐祐理の力を封じ、今まで生きていられるようにしたのも名雪の力だった。
『でもっ、この子がいたら一弥と会えませんっ』
 泣き顔のまま名雪に掴みかかって、平手打ちをしようとした所で秋子に命令され、どうにか手を止めた。
『あの子達は、名雪の力の前では浄化されてしまうので出られないだけです。天使の人形君も名雪のお陰で生きています、もし名雪を傷つけたりしたら、あの子たちは見捨てられて消えてなくなって、貴方との約束も果たせなくなります、それでいいんですか?』
「えっ?」
 聞きたくない言葉を聞かされ、やっと名雪から手を離す。昔、天使の人形から聞かされた約束、「いつか力を着けたら一弥も返す」それは目前で、一弥本人さえ承諾すれば自分の子供として帰って来てくれる。名雪はその障害ではなく、同種の力を持った相手だと感じ少し反省した。
「ごめんなさい、貴方が一弥を消してしまったとばかり思えて……」
「へえ??」
 首の角度がさらに傾き、周囲の出来事が全く理解不能の名雪。その頃にはマコピーがふらふらになり、リビングで寝ようとしていた。
「名雪、後で説明しますから、真琴を部屋に連れて行って、布団を敷いてあげなさい」
「うん?」
 とりあえず危険な佐祐理や舞と引き離し、着替えや部活後のシャワーでも浴びさせようとする秋子。祐一も加わってマコピーを二階まで登らせ、やっと静寂が訪れた。
『怖いようでしたらもう帰った方がいいですよ』

 選択肢
1,怖いので居座る。
2,マコピーも天使の人形も怖いので里まで逃げる。
3,マンションまで撤退。できれば名雪ちゃんお持ち帰りで。
4,佐祐理お姉様と愛の逃避行。
 選択「3」

 月宮真琴一行は天使の人形が座った席には、怖すぎて戻れなかった。二階に行った妖狐の側にいるのも怖いので、とりあえずダッシュで逃げる事にした。
「ジャア、ソロソロ、オイトマシマス」
 真琴一行は半泣きで「四人だけで帰ると怖いから、友達の名雪ちゃんをお持ち帰りしたいナー」と考え、災厄の深奥に唯一対抗できる名雪に頼り、朝と昼に馬鹿にして追い払ったり撃墜して、親友を裏切って男を取り上げた不義理も忘れて、女の友情がペラッペラで相手を利用できる時には有効なのを証明した。
 それに比べ、栞と佐祐理は天使の人形を恐れず、今まで生かしてくれたの
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