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KANON 終わらない悪夢
29秋子ちゃんvs佐祐理、真琴の帰還
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ず、天使の人形の思うままにさせる以外に無かった。
「やめろっ、この子達と秋子さんにも手を出すなっ、お前らの目的は何だっ?」
(バカだなあ、あゆちゃんの復活だって何度も聞いてるだろ? お姉ちゃんとの約束もあるからオマケで一弥も復活させてやるよ。別にみんな食べたり殺したりしない、ここまで全員、苦労して生かして来たのに、今さら何もしない。まあちょっと命を寄付してくれたら嬉しいなあ?)
 沢渡真琴の近くにいる、同等の災厄を持つ存在が恐ろしい一同。それは今まで自分たちの命を繋いでくれた有り難い存在で、処刑宣告も受けなかったが、失言一つで命を吸われて存在を消去されるのも分かり、本物の妖狐の力と災厄の大きさに戦慄した。
「秋子さん、お腹すいた、眠い」
 沢渡真琴は疲れたように空いた席に座り、自分の現状を伝えてぐったりとした。
「ええ、何か作ってあげますね、それまでパンとおやつでも食べていて」
 純血の妖狐を満たすことができない食物を見て、謎ジャムと食パンを出して台所に下がる秋子。それを見て一弥と天使の人形までが席に座り、謎ジャムを楽しんだ。
(こりゃあ良い、名雪もこのジャムを食べないから久しぶりだな、ほら、一弥も食べなよ)
(うん、おいしい)
 何も無い空間に浮かんだまま、歯型を残して別次元に消えて行くパンとジャム。
 この中では舞と秋子以外には魔物は目視できず、奇妙な風景を見せられていた。

「あの、天使の人形さんですか? 私やお姉ちゃんをずっと助けてくれて、お葬式の前に戻してくれたのは貴方ですか?」
 恐怖を払って、今までの感謝の気持ちを込めて話しかけた栞。その心は邪悪な天使の人形にも通じ、怒りを掻き立てることも無く答えが得られた。
(そうだよ、栞ちゃん。あゆちゃんが危ない時、真っ先に駆け付けてくれたお礼だよ。気にしないで)
 七年前に「力がある者」を求めて走った時に、実体が見えない魔物の呼びかけにも恐れず答えてくれて、あゆの危機に駆け付け、命を使い切って転移し、病院まで送ってくれた何の罪も無い少女。
 この世との縁が一番薄く、何度も針の穴を通すような努力を重ね、舞の魔物としても最弱で何度も瀕死にさせられ、昼の住処としても条件が悪く、奇跡的に生き続けている栞には苦労させられたが、愛着も持っている天使の人形。
「ありがとう、お姉ちゃんまで助けてくれて、何てお礼したらいいか分からない」
 もう恐怖は忘れ、涙ぐんで感謝する栞。佐祐理と同じく祐一と天使の人形とは同じ存在だと気付いたが、真琴一行には話せないので口をつぐんだ。
(香里さんには恩が無いから何度も見捨てたんだけどね、それだと栞ちゃんがいつまでも気にして、「お姉ちゃんなんて最初からいない」って記憶を変えても幸せになろうとしないから苦労させられたよ。名雪を使って二人とも子供の頃に術
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