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KANON 終わらない悪夢
29秋子ちゃんvs佐祐理、真琴の帰還
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るみたいで恥ずかしいですよ」
 女同士の舞の魔物と違い、あれだけエロエロな祐一と一緒に過ごすのは恥ずかしがる栞。天使の人形と祐一は同一の存在として認識していた。
(僕は永遠の十歳だよ、相沢祐一とは違うんだ、一緒にお風呂に入っても変な気は起こさないよ)
「もう、私は女の子なんですよ、一緒にお風呂はダメです」
(ハイハイ)
 魔法少女と淫獣の関係だと言い張る天使の人形だが、微妙なお年ごろの少女には受け入れられなかった。
(栞ちゃん、まだお弁当残ってる?)
「まだお腹すいてますか? お昼の残りで良かったらありますけど」
(いいね、死ぬまで卵産まされて、産まなくなったら肉にされた怨念の塊とか、雄鶏の雛に生まれて何も分からないうちに粉砕機に直行して殺されたナゲットとか、大好物だよ)
 まだ寒い時期だが、昼に出して舞と栞以外手を付けなかった残り物。
 それも月宮真琴に言わせれば「呪いと怨念の塊」だったが、天使の人形にとっては綺麗な呪いの並んだオードブルだった。
「見る人によって、そんなに違うのね」
(そうだよ、ケガレの無い人間なんていない、綺麗事ばかり言う奴の心がどれだけ汚いか、君も良く知ってるだろ?)
「ええ、これ以上無いってぐらい見て来たよ」
 担任、校長、校医、委員長、医者、看護婦、役人、ソーシャルワーカー、ボランティア、NGO関係者、住職、坊主、神職、巫女、宗教家、まじない師、この世の「聖職者」と呼ばれる全員が心の腐り果てた詐欺師だと知っている栞。
(帰ったら、ナゲットを雛鳥に還す方法を教えてあげるよ)
「うちは共同住宅ですからペットは飼えません」
(大丈夫、栞ちゃんが被ってる猫と同じで、エサ代も何もいらないよ、勝手に歩いてクズの命を食い荒らしてくれるカワイイ奴さ)
「あははっ、知ってるんだ」
 栞が被っている表層的な人格も、裏の人格も知り尽くしている天使の人形。この日から栞の家付近では、ウィンナーから復活した赤い何かが走り回ったり、ナゲットや唐揚げから復活した何かがピヨピヨ鳴いて飛び回り、暗闇でだけ生きていける何かが住人の命を食い荒らして回るようになった。

 栞の家。
「温め直すからちょっと待ってね」
(いや、そのままがいいよ、呪いが逃げ出すと美味しくないんだ)
「そうなんだ」
 テーブルに弁当の残りを並べる栞。天使の人形はまずナゲットを出して二、三個固めた。
(ピヨ、ピヨ)
 天使の人形や一弥周辺の凄まじい呪いの中では、何もせず自立して羽ばたき始めたナゲット。
「まあ、食べ物で遊んじゃいけませんよ」
(ふふっ、僕や一弥が摘んだら、勝手に歩き始めるんだ)
「ふ〜ん、そう言えば一弥くんは?」
(佐祐理さんが隙を見せる所を狙ってるんじゃないか? これからお姉さんを虐めるのも解禁だから、大喜びで飛んで行
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