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KANON 終わらない悪夢
28新興宗教
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 その頃の学校。
 最後の授業参観の後、放課後に香里を応援する生徒達が集まり、早速準備を始めていた。
「やっぱり、ドレスはしっかりした物にしてやりたいな、生地も良いのを使ってさ、後は靴とかヴェールにブーケもいるし」
「ええ、みんなでカンパしてもらったら、いい生地も買えるわ。ミシンもあるし、裁縫とか手芸の得意な子がこれだけいたら、装飾も沢山付けられる」
 そのリーダーは神父役の「王子」、六時間目が終わると自然に周囲に女子生徒が集まり、委員長を始め、香里の周りに駆け寄った女達が集結していた。
「結婚式の会場にする教室と、披露宴に使う体育館の使用申請は通ると思うわ、PTA会長のうちの母から出すから問題ないはずよ。申請内容は「新入生歓迎舞踏会」でいいと思う、そうしたら参列者がドレスでもおかしくないし、香里と相沢くんも正装して、着替える場所とかも確保できるわ」
 やはり事務手続きには慣れていて、さらに権力者もバックに付いている委員長。家族まで委員長体質らしいので、放送協会まで巻き込んで、悪どい手法で教師や生徒会も黙らせ、大々的に披露宴まで開催して「全校生徒の前で祝福する」おつもりらしい。
「でも指輪はどうするの? 安いステディリングでも良いとして、それも「裏切りの印」になるとイメージが悪いわ」
 栞を包囲していた不倫賛成派「歩」「香車」「桂馬」「銀」といった面々も加わり、具体的な計画が練られて行く、香里の脚本は自立歩行から自己学習、自律進化できるまでになり、ターミネーター並みに周囲の人間を大量に巻き込んで大騒動に発展して行った。
「やっぱり時計よ、「二人の時間を繋ぐ愛の腕時計」なのよ、悪いイメージなんかあるはずないもんっ」
 もしこれが許可も取らず、数日以内に内緒で教室を使い、放課後に小さな式をしておけば、誰の妨害も受けずに済んだはずだが、ドレスの製作にも力を入れ、二次会として体育館を借りきって舞踏会件パーティーを行い、盛大な物にしようとしたことが仇になった。
 生徒会、教師、倉田家、天野家、月宮家、秋子等など、様々な人物の耳に入ったため、沢山の横槍が入る事態となった。
 もちろん天使の人形からも指示があり、面白おかしい喜劇?が起こるよう手配済みなのは言うまでもない。

 さらに同時刻、学校の廊下で屯している男達。
 教室での香里の絶叫告白、さらに既成事実として公表された「奇跡の故意?シーズン2、たった一晩の奇跡の故意」を聞かされ、「香里の幼なじみで初恋の相手でもあり、当時からずっと好意を寄せていて、いつか男嫌いを治してやって告白して、これまでと同じように、これからも一生を共にするつもりでいた女なのに、一月に転校してきたばかりの男が想い人の妹を堕とし、面識もあって知り合いだった栞と結ばれて義理の弟にでもなるのかと思えば、入院後にはもう一人
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