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KANON 終わらない悪夢
28新興宗教
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でしなくていいからね、手を繋いだり、キスぐらいまでで……」
「手ヲツナググライナラ」
 チョロインさんにも病気の家族がいたようで、「いくらなんでもBBAとエッチまでは無理」と言いたかったが、「秋子さんみたいに若々しくてピチピチしてれば?」と思うマヌケな祐一クンだった。
 この二人は病気の家族を人質に取られて祐一の所に来たようだが、残りの二人は教義に賛同しているのか、何か報酬でもあるのか、怖くて聞けなかった。

「さて、こんな大勢で押しかけているのが舞の叔母様に見つかるとご迷惑ですから、そろそろお暇しましょうか?」
 ヤルことをヤって満足し、録画も済ませたので帰ろうとする佐祐理。他の一同も身支度を始めて服を着たり、乱れた着衣や髪を整え始めた。
(あれ? アタシもう、お姉様に逆らえないや)
 佐祐理お姉様と舞お姉様に可愛がられて全てを奪われて所有権設定もされ、ついでに祐一に種付けされてしまったザコ1号は、正気を保っていたつもりだったが、佐祐理の命令に逆らうこともできず、次の指令を待っていた。
「舞も今日はうちに来てくれる」
「…いいの?」
「ええ、一弥も一緒に帰りますし」
(決定事項なんだ……)
「ええ」
 祐一クンには選択肢は存在しないらしく、「弟は姉と一緒に家に帰るものよ」と言われるのが決まっているので質問もできなかった。
「皆さんはどうしますか? 真琴と栞は連れて行きますけど佐祐理の家に来ますか? それとも「何か三人で話し合いたいこと」でもありますか?」
「いえ、お姉さまさえお邪魔でなければ喜んでお伺いします」
 怖い顔と声で聞かれ、お嬢まで連れて行かれるので同行を願い出る一同。めくるめく課外授業にも期待したが、夜の使い魔まで憑依させられた真琴を一人で放置する訳には行かなかった。
「あの、お泊りですか? それでしたら一度家に帰って用意したいんですけど? 10分で走って帰って来ます」
 中身が入ったままの弁当を持った栞が、「残飯は温め直してお父さんの晩ごはん」と言う悲しくもあり、食べさせられる本人だけは「昼の弁当と同じで愛娘の作った120点のご馳走」として喜んでいる哀れな日常を思い出し、一時帰宅を申し出た。
「無理はしないでいいのよ、栞。走らないでも車で家まで送ってあげるわ」
「え? はい」
 縮地で走れば一瞬、などと思っていたが、実際は赤信号でも車の間を走って抜けるので危険極まりない。先程は緊急事態だったので一時的な同盟者が転げ落ちても気にならなかったが、今は佐祐理お姉様の妹同士なので無理はしないことにした。
「急なお客様ですから、お寿司でも取ろうかと思いますけど、何か好き嫌いはありますか?」
「私達は食事の戒律があるんです。生臭物と穀類が食べられません」
 宗教色がキッツイ皆さんは、お昼のお弁当と同じく、
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