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KANON 終わらない悪夢
28新興宗教
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をしていた。
(この二人は大丈夫なんだ)
 それでも弱みを握られているのか、金にでも困っているのか、「相沢様の子種を頂戴して妊娠する」所までは承諾しているらしい二人。信用はできないが、逃げ出すときは手を貸してもらえるよう期待した。
「ハハッ、ネエサン、ウチノ宗派ハ、ドコダッタカナ?」
「さあ? 仏教だと思いますけど、宗派までは?」
「ミンナハ?」
「…知らない」
「うちの母は神道だったと思いますけど、お父さんが仏教なので、そっちに合わせたはずです?」
 佐祐理か栞ぐらいの答えが一般的なはずだが、宗派どころか仏教なのか神道なのかも知らない祐一と舞。案外クリスチャンだったりするかもしれない。
「何だか楽しそうですね、舞も行ってみますか?」
「…行かない」
 病んでいる佐祐理には宗教的な救済が必要になりそうだが、舞は病院で言った過去のように「奇跡」だとか「超能力少女」として神扱いされ、ヒーリングに利用されて嫌な思いをするのが嫌で即座に断った。
「栞はどうですか?」
「あ、土曜は秋子さんに呼ばれていて、何かアルバイトがあるそうです。日曜は確か、お爺さんの所に行くはずです」
「そうですか」
 先日言っていた「割のいいアルバイト」に呼ばれていて、無事新興宗教の集会からは逃げられた栞。祐一も是非そちらに呼んで欲しかったので、カマをかけてみた。
「アレ、それって俺も行くんじゃなかったカナ?」
「いえ、祐一さんは来ちゃいけないそうです」
 恋人に助けを求めたのに、あっさり断られたので仕返しかと思ったが、素で答えたようなので、自分には見せられないナニかをするらしい。
(まさか秋子さんに栞が……)
 秋子お姉様に栞が食われてしまうエッチなアルバイトの怪しい妄想を開始しようとしたが、舞と佐祐理には心を読まれ、即座に知られてしまうので断念した。
「何か言いましたか? 一弥」
「いや、別に」
 舞の冷たい視線にも気付き、妄想を断念したので助かったような気もした。
(オ姉チャン、ボク、イキタクナインダ、コワイヨ)
「大丈夫ですよ、一弥にはお姉ちゃんが付いてますから」
 子供の心の声で佐祐理お姉ちゃんに助けを呼んでみたが却下され、怪しげなミステリーツアーに強制参加させられそうで、背筋が寒くなる。
「さっきも言ったけど、アタシにも病気の妹がいるんだ、土曜に呼ぶから治してやってくれ、それがアタシの処女の代金だ」
「エ? アア」
 香里の処女の代金(210円、消費税含む)より高く付きそうだが、ザコ1号の妹の治療も約束してしまった愚かな祐一クン。
 これが病気の「弟」とか「父親」「お婆ちゃん」なら即座に断ったが、手を繋いだり、キスするぐらいなら大丈夫と思って安請け合いしたのが裏目に出た。
「私のお母さんもお願いしていい? その、エッチま
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