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KANON 終わらない悪夢
28新興宗教
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り込んで、さらに教祖にまでなった女と別れ、おかしな教義を信じた娘も見捨てて逃げ出した旦那の気持ちがよ〜〜く分かる祐一クンは、長めのうぐぅの音を漏らした。
「うぐ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぅ」
「まあ、そうだったんですか」
 これだけ危ない単語が並んでも、恐怖を感じていない佐祐理は、いつもの笑顔で受け止めた。
「私達の実家である神社を継いでいた、「教主様の弟君」でいらっしゃる「猊下」にも大変良くして頂いています。今回教主様と猊下から与えられた指示は、相沢様のような力ある「現人神様」からお胤を頂いて、いつか一切衆生が全員力を持って色々な術も使えるようになり、皆が健康になって事故などにも遭わず、願えば何でも叶う天孫降臨の当初の時期に戻し、五十六億八千万年の彼岸から弥勒菩薩にも下生頂き、この世を極楽浄土となさんとするのが目的なのです」
 神仏習合されているのか、結構出鱈目な教義にも度肝を抜かれる祐一。悪の秘密結社の正体は、一般人から集金しまくる危ない宗教団体だったが、目の前の女はその団体の中核の一族で、教祖の母や猊下と呼ばれる叔父さんが教団を管理していて、自分と名雪と秋子や両親は「現人神」と呼ばれる神様扱いらしい。
「信者の皆さんも良い方ばかりで、この度の「相沢様」との契約の終結、婚約にも大変お喜びになられ、週末の「大躍進集会」にも是非参加して頂こうと仰っておられます」
 その信者とやらの写真も、目の前の女と同じ瞳孔が開いたような狂信者のヤバい目付きをしていて、全財産を吸い取られて献上させられた上、宿房に入って変な修行したり、タダ働きで布教活動、その上で夜の仕事でもさせられて収入も全部「天の上に積み上げる財産」として猊下とやらに喜捨させられているのを感じ、怖すぎて声も出ない祐一クン。
「私の本名は月宮真琴です。この地域でこの名前だと、すぐに関係者だと分かってしまいますから、学校では祖母の苗字を名乗っています」
「ソウダッタンダ」
 どうやら、あゆの親戚で妖狐の一族のようだが、教義や集金方法が危ない方面に行ってしまって、一族や神道、稲荷神社関連からは除名されているらしい真琴の実家。悪い噂は高校生の祐一でも知っていて、連れて行かれると洗脳されてしまう。
「土日はぜひ集会に来てくださいね、うふふ」
 とんでもない地雷女を掴んで「所有権設定」までされてしまい、まるで38度線かカンボジア辺りを徒歩で歩いて、ブラックウィドーに片足を吹き飛ばされた後、対戦車地雷でも踏み抜いて成層圏まで飛んでから、クレイモア地雷に囲まれて同時指令爆破で全方向から小さい鉄球の雨でも喰らった気がしていた。
「あの…… ダイヤクシンシュウカイって何ですか?」
 香里や佐祐理以上に感じる恐怖感を払って、どうにか声を振り絞り、今週の「終末」の自分の運勢を訪ねてみた。
「はい、駅
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