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KANON 終わらない悪夢
27佐祐理のお仕置き
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 ここで少女は自分の里や祖母に知らせるか、このまま気づいていないふりをしてこのメンバーの中に居続けるかの選択を迫られた。

 選択肢
1,今目覚めた振りをして、解散したらすぐに他の二人や里にも知らせ、真琴を含めた全員を討伐する。
2,女同士三対三になって戦ったとしても、絶対に勝てる相手ではないので、仲間に残って災厄が広がる前に火消しに奔走する。
3,女同士の友情を優先して、例え悪事でも加担する。
4,佐祐理お姉様と愛の逃避行。
 選択「2」

 ここで佐祐理は、天使の人形は祐一が放った魔物だと気付いていたが、他の三人には伝えなかった。特に気絶している振りまでして動かない女の耳には入れたくなかったので、口をつぐんだ。
「私も自分のお葬式の夢を見たことがあります。それも姉のお葬式まで済ませて、両親が喧嘩をしたり、離婚して荒れた生活をして、最後にはみんな死んでしまう悲しい夢です。最後に母のお葬式を私や姉の幽霊が見ていて、どうしてこうなったんだろうって思ってると、小さな男の子が走って来て、全部無かったことにしてくれたんです」
 自分の震える両手を見ながら、栞も口を開いた。女四人の共通の悪夢、自分の葬儀や姉、両親の葬儀まで見た悪夢を語る。
「その子は幽霊の私にも、口移しで命を分けてくれたんです。生きていた頃も、死んでからも、あの世とこの世の距離を超えて、キスしてくれるんです」
 涙声のまま、クマみたいな腕力で祐一の手を掴んで下さる栞さん。その病んだ目が自分に向いた時、鈍い祐一も「いつもの事が始まったな」と思った。
「ドウシタンダイ、シオリチャン」
 歯の根が合わないので、いつも通りカタカナ語で話してしまう、気の毒な祐一クン。
「祐一さんの命を私に下さい」
「キャーーーッ!」
 正確には「命を分けて下さい」なのだが、つい「全部下さい」とも聞こえるように言ってしまった栞ちゃんは、これまたいつものように祐一を引き摺り込んでベッドに押し倒し、ヤンデレーなお目目のまま発情して、無理矢理上から伸し掛かった。
「栞さんは暫く力を分けてもらっていないようですね、私達みたいに沢山貰っておきなさい」
 佐祐理おねえちゃんも助けてくれず、リミッターカットされちゃった栞さんに唇を奪われる祐一クン。
 以前のような強烈なエナジードレインは受けなかったのでレベルは下がらなかったが、ヒットポイントと、舞と佐祐理を倒した?経験値を吸われてしまう。
「避妊しないで子供まで産んだら、瀕死の重病でも六年以上生きた人もいたんですよね? これから退学になっても、通信か夜間で高校も卒業して、働くか子育てをしながら、お父さんやお母さんが、お爺ちゃんやお婆ちゃんになって、皆が幸せに暮らしてる将来があるんですよね?、今までそんなの考えた事もありませんでした」
 秋子
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