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ep.036 それは戦場に咲く花の如く
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子規が白熱の攻防戦を繰り広げている中、残りの悠持たちはobjectの本拠地へと向かっていた。
「影縫が無事だと良いんだが......。」
子規を信じていないわけではない。
しかし、悠持にはまだ拭い切れない不安があった。
すると何者かの声がする。
「全く...第0学区には似合わないおこちゃまな考えに反吐が出そうだぜ。」
悠持たちの足が止まる。
そこに立っているのは赤い液体を入れた妙な試験管を何本も装備している青年だった。
一同は咄嗟に彼を敵だと理解する。
「かなり多いじゃねぇの。 まぁ1人はさっき上空を飛んで行きやがったが。」
呑気な話をしているが隙はない。
するとここで操作が出る。
「ここは僕に.....」
「いえ、私が相手をします。」
操作の言葉を遮り、鈴菜が前に出る。
この二人がこの青年の相手を買って出たのは、二人は瞬時にその試験管の中身に気付いたからだ。
二人にとっては忘れることのできない色。
閉ざされた過去からいつまでも蘇ってくる少し黒っぽい赤い色。
「箱部さんは僕が着く。 他のメンバーは先へ!」
操作が全員に声を掛ける。
それを聞いて悠持が真っ先に走り出す。
そして、2人と擦れ違う瞬間にぼそっと声を掛ける。
「信じてるからな。」
「簡単に通すとでも思ってんのか?」
青年は腰辺りに装備している水の入った試験管を取り出すと、蓋を開けて空中に撒き散らす。
青年が手を動かすと、まるで生きているかのように空中に撒かれた水が集合する。
「殺っちまいな!!」
水は鋭いカッターのようになり、触れればその水圧で両断されそうな勢いだった。
しかし1人の少女はそれを目の前に恐れることなく立ちはだかる。
「言ったはずです。」
少女は能力で操られた水を自身の能力で再びただの水へと戻した。
その隙に悠持たちは青年の横を駆け抜けていった。
◆◆◆◆◆◆
「チッ宗嗣の野郎。 ちゃんと足止めしろってんだバカ!!」
叶はモニタールームにてその瞬間を見た。
玄関ホールでは現在、子規が耐久戦をしている。
本来なら残りの者たちも足止めし、子規単体を玄関ホールにて始末する予定だったが、これでは支障が出るかもしれないと叶は思った。
◆◆◆◆◆◆
「あらま....簡単に通しちゃった。 叶さん絶対に怒ってるだろうなぁ....あとが面倒くせぇなぁ....。」
宗嗣は怠そうに愚痴を呟く。
そして、鈴菜を見る。
「まぁ良いか...ここに居る二人ともぶっ殺しゃ叶さんももう怒らねぇだろうし。」
青年は赤い液体の入った試験管を手に取り中身をじっくりと観察する。
「ついでにお前らのも俺のコレクションにさせても
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