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KANON 終わらない悪夢
26佐祐理の初体験
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イ君。
「もう話はいいですよね? 何か思い残したことはありますか?」
「はわわわっ」
 きっとオットセイ君とタマタマは異次元に葬り去られるか、映画版のようにハンマーじゃなくて原作のように足を切り取られて栞に看護してもらう、ミザリーな自分の将来を思い、失禁寸前の祐一くん。

「ごめんなさい、栞さん、貴方の恋人をお借りしました。佐祐理の中の舞を取り出すためとは言え、悪い事をしました」
 ブラウスを羽織り、ブラは無いまま下着だけ付けて栞に抱き付いた佐祐理。頃合いと見て栞を襲うことにした。
(アルファワンに対し、イプシロンワンの攻撃が開始されました。佐祐理溺愛ハグと音波による精神攻撃が来ますっ、退避をっ)
 祐一君ロボの戦闘AIからも警告が出た。佐祐理ロボ?は女の魅力で栞ロボを籠絡して一弥くんを守る予定らしい。
「くっ、倉田さん」
 栞から見ても佐祐理の姿は淫靡な感じもせず、まるで天使か妖精でも自分に近付いて、芳しい髪といい匂いがする柔らかい体で抱き締められ、白い羽で包まれたような気がした。
 自分の姉や母親のように、キッツイ性格で口より先に手が出るような女と違い、まるで聖母のように優しい女性に抱かれ、自分中の変なスイッチを思いっきり「オン」にされてしまう「ガチン」という音を聞いた。
「栞さんは可愛いですね、佐祐理、ずっとこんな可愛い妹が欲しかったんです」
 さらに佐祐理に手招きされた舞まで栞に抱き着き、栞の耳元でささやき始める。
「…うん、かわいい」
 鼻孔をくすぐる芳しい香りと、耳元で囁かれる優しい声に操られ、頭に登っていた血が全部顔面装甲に移動させられ、優しいお姉様に全く免疫がない栞は、ゆでダコのようにされ、佐祐理や舞の死のハグに対応する手段も持ち合わせていなかった。
「これも何かの縁ですよね、栞さん、ぜひ佐祐理の妹になって頂けませんか?」
「…妹になって」
「ええっ?」
 その時の栞は、「もしかしないでもマリア様の像の前で「タイが曲がっていてよ」な〜んて言いながら倉田さんか川澄さんが結び直してくれたり、薔薇の館に用があって行ってみると「お姉様の意地悪っ」とか言いながらお姉さまが飛び出してきて衝突して押し倒されて下敷きにされて、わらしべ長者のように最初に掴んだ栞の手を取って「この子を妹にします」と宣言されてしまい、ロザリオを受け取るのを断っても「妹候補」として薔薇の館の手伝いに駆り出されて、文化祭の劇でもロサギガンテイア(ガチレズ)の倉田さんに「舞おねえさま」の代役を仰せつかったり、クラスの女子や写真部の女子に問いつめられて「ロサキネンシスアンブゥトンである舞様からのスールの誘いを断ったのは本当か?」と聞かれて泣き出してしまったり、男嫌いのお姉様がシンデレラ役をやるのを嫌がったり、ホモ疑惑のある花寺の生徒会長とダンスを踊る
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