暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
26佐祐理の初体験
[9/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
よりっ、使い魔を取り出す所と、元に戻す所を見せてくれ。そこにあるのはビデオだな? 録画させてくれないか?」
「ええ、いいですよ」
 自分たちの行為を録画し終え、ビデオを止める佐祐理。その最後のカットに「計画通り」とか、Lを見送る時の月の表情みたいな笑顔が映っていたかどうかは定かではない。
 貴重な舞の初体験記録を無くさないよう、録画禁止の爪を折り、カメラバッグにしまい込むと、新しいテープをセットして渡した。
「これで録画ボタンを押せば撮れますよ」
「あっ、スミマセン」
「一弥、どうするんですか?」
「え? ああ」
 祐一を一弥と呼んでいるのには全員違和感を持ったが、とりあえず言い間違いか何かと思ってスルーした。
「ここに座って」
 もしここで口を滑らせ「お姉ちゃん」などと呼ぶと栞の怒りが再びマックスまで振り切り、カナディアンバックブリーカーから三階の窓へ、リフトスラムでも食らいそうなので慎重に言葉を選んだが、どのみちキスをするので死刑執行までの時間は残されていないようだった。
「佐祐理さんの中の魔物、舞の左足になるのか? もう舞の中に帰ってくれるか?」
「この子はまだ嫌だって言ってますよ、一弥ともっと色々してからじゃないと帰らないそうです」
 お腹の辺りを押さえ、その表情も明らかに「もっとエロエロな行為をしまくらないと満足しません」と言っているお姉ちゃん。
「カズヤって誰ですか?」
 部屋に冷気が漂い、栞の方向からドス黒い気配と殺気がして、ベキボキと指を鳴らして背中を反らし、カナディアンバックブリーカーに入る準備運動をしているのが分かった。
 真琴(本物)の方からも殺気がしたが、それは舞と佐祐理に向かっているので、実力行使された場合は舞にお願いしようと思った。
「一弥は佐祐理の弟なんです、ほら、お姉ちゃんって呼んで」
 祐一を抱いて地獄への特急券を購入してくださる佐祐理を悲しい目で見てみたが、病んでいるお姉ちゃんは、死に別れた弟と再会したと認識しているのか、危ない微笑みで答えて下さった。
「佐祐理さんには亡くなった弟さんがいたそうで…」
 そこで頭と顎に手を掛けられ、ゴキッと音がするほどの力で佐祐理の方に向き直させられた。お姉ちゃんの一弥くんは目の前にいるので、そんな不吉な話題は禁止らしい。
「お、ね、え、ちゃん、でしょ?」
「はい…… お姉ちゃん」
 後ろで殺気を発している人達よりも、まずは自分の首を持っていて、180度以上回転させられる病んだ人の命令を優先してみた。
「お姉ちゃん、ですって?」
 その手の話にも超ビンカンでいらっしゃる栞さんも、我慢できなくなって怒りが祐一に向かい、暗黒二重反転異次元転送用殺戮歯車を出現させてエクスターミネーションを再開させて下さるようで、オシッコをちびりそうになるオットセ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ