26佐祐理の初体験
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事件でもあったの?」と聞かれそうな惨状だった。
「ごめんなさい、シーツをこんなにしてしまって」
「…いい、いつもの事だから」
佐祐理が真ん中の血の辺りに「舞、初体験」と書き込み、自分の血の跡に「佐祐理、初体験」と書き込んでからシーツを取り、マットに被害が及ぶのを防ごうとしたが、肩、背中、足、頭に当たる部分に、もっと大きい血の跡があった。
「舞……」
魔物との戦闘の記録に絶句する祐一。自傷から自己治癒という悲惨なサイクルが繰り返されてきたのがマットからも見て取れた。
「…そんなに痛くない」
そのシーツを当然のようにビニール袋に入れてカメラバッグにしまい込んで、マットをテッシュで拭いてから自分でプレゼントした新品のシーツを敷いた佐祐理。舞もいつもの事なので「洗濯して返してくれる」程度にしか思っていなかった。
(永久保存なんだ)
「ええ、記念の品ですから」
これもいつもの通り、祐一の心の声にも普通の会話のように答えてくれる佐祐理。シーツを交換した後は、栞と真琴を見比べて迷ってから、栞を選んでベッドに座らせた。
「さあ、一弥に乱暴する悪い子は、お姉ちゃんが虐めてあげます」
新品のビデオテープは、魔物の転送シーンではなく、栞が別の世界に旅立つ記録ビデオになりそうで、オットセイ君の背丈が伸びる祐一クン。
次回からついに「ガールズラブ」にチェックを入れる羽目になるのか?
(あゆちゃん、栞ちゃんが佐祐理さんにヤラれちゃうよ)
「ええっ?」
真琴ロボにマジンゴーしても操縦方法が分からず、まだ近くをガコガコ動いて慣熟走行していたあゆ。現状では佐祐理ロボと対戦しても戦闘にも成らず負けてしまう。
「真琴ちゃん、目を覚まして、栞ちゃんが危ないよっ」
あゆの願いに答え、「暴走」して下さる真琴ロボ、やはりどこかのエヴァみたいな叫び声を上げて街まで走った。
「ああっ、ダメだよ、止まって、あああ〜〜〜っ!」
路上に出たあゆは「だろう運転」で危険走行をしながら舞の家を目指した。
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