舞の処女喪失、運命の少年と繋がる
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祐一の胸に顔を埋め、肩に爪を立てながら心臓の音を聞いている舞。今は胸の奥を掻き毟られるような感触と、運命の少年とようやく一つになれる期待感で、自分の心臓も早鐘のように鼓動していた。
「舞〜〜〜〜〜〜っ!」
そこにタイミングも悪く、佐祐理が到着してしまった。合鍵を使ってドアを開け、一気に舞の部屋に突入して来る。さらに祐一の毒牙から舞を救うため、年配の運転手までが入ってきた。
(敵性兵器の稼働を確認、以後イプシロンワン、イプシロンツーと呼称します)
祐一クンロボのボロい戦闘AIからも警告が出た。何故か舞と同じ声なので紛らわしいが、現在佐祐理は祐一に敵対しているらしい。
「…佐祐理、来たの?」
自分で呼んでおいて、邪魔そうな言い方をして親友を見る。現在の位置関係は舞が上で、祐一が押し倒された状態で、舞はジャージを着たままだが泣いているので心象が悪い。
もし祐一が上で舞が泣いていれば、佐祐理が持っている三脚付きカメラで殴り倒されていたに違いない。
「サ、サユリサンジャナイカ、ソチラノカタハ?」
佐祐理本人も怖かったが、後ろの男性がホモだったり、ワセリン無しだったら怖いので、カタカナ語で喋る祐一クン。
既に戦闘態勢で拳を握っていたり、手に持っている警棒代わりの長い懐中電灯も自分のお尻に納めさせられそうで怖かった。
「舞っ、大丈夫? 何もされてない?」
その表情は当然いつもの笑顔では無く、目を見開いて、能面か般若のような顔で祐一を見ていたので、さらに怖くなる祐一クン。
「はわわわわ」
「祐一にキスしてた。その先はどうすればいいか分からなかったから困ってた所」
舞が無事だったので安心する倉田家の一同。年配の運転手は警棒を隠して退出しようとした。
「私はお邪魔なようですので外におります、御用がありましたらお呼びください」
車にも施錠せず飛んできたので、車に戻って駐車違反を取られないよう出て行く運転手。
「急がせて済みませんでした、帰りは呼びますので、もう結構です」
「左様ですか、それでは暫くしましたら帰りますので、またお呼びください」
ドアに付けたまま飛び込んだ合鍵で施錠して出て行った運転手。
(イプシロンツーが撤退しました、イプシロンワンは未だ非友好的です、警戒して下さい)
「…座って、佐祐理」
「ええ……」
ようやく振りかざしたカメラ付き三脚を下ろし、近くに座った佐祐理。
まだ祐一を疑わし気に見ていたが、明らかに舞の方がラブラブなのが表情から見て取れた。世の中には飼っているヘビの表情が読める人物もいるので、佐祐理には舞の表情からそれが分かった。
「一体何があったの? 教えて、舞」
すぐに逃走できるように、舞もベッドに座らせ、自分も隣に座る祐一。
「…祐一が私の両手を捕まえて返してくれたの
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