舞の処女喪失、運命の少年と繋がる
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ために後押しまでしていた。
「そしたら栞に入ってた奴が祐一の中にいて、猫みたいに横になって気持ちよさそうに寝てるじゃない。もうバカみたい、こいつ何してんの? って思ったけど、あたしも誘われて「こっちに来い」って言ってもらって、祐一の中にもあの麦畑が見えたのね。あたしもあそこで昼寝できたら気持ちいいだろうなって思ったら我慢できなくなって、入れてもらったの」
使い魔視点の話を聞かされ、必死でメモを取るザコ1号。香里も使い魔も「あたし」なので混乱するが、話の内容から察しながら聞く。
「二人とも行けるのかと思ったら、あたしだけ置いてけぼりで、あいつだけ気持ちよさそうにしてて、そこで眠くなって寝ちゃったんだけど、起きたらこのとおりでしょ? もうあいつはいないし、ゆ… 相沢くんに会ったらどうしたらいいかわかんないし、早く帰って来いって気分よ」
使い魔に乗り移られ、命を食われて心も蝕まれていたとばかり思っていた一同は、案外二人が仲良く暮らしていて、今でも戻ってこないと、宿主自身が以前のように上手くやっていけないと思っているようで驚かされる。
「仲良しの使い魔なんて聞いたこと無いぞ、心のお友達かよ」
「ええ、結構いい相棒だったわ、ほんとにあいつ、どこに行ったのかしら? 早く帰って来て貰わないと困るのよ、あれ、どうしたんだろ?」
大切な友達を無くしたかのように、涙を流し始め、手で拭い始めるが止まらなくなり、テッシュを取って震え始める。
「あいつっ、川澄さんの中に帰っちゃった。祐一と何か話してて、最初は嫌がってたくせに、だんだんその気になっちゃって、祐一の中の方が居心地良いはずなのに帰るなんてっ、あのままだったらまた、あたしの中にも戻って来れたって知ってたくせに帰るなんて…… 酷い」
そのまま寝転んで、丸まって泣き続ける香里。
『ごめんなさい、もういいのよ、眠りなさい、良い夢を、また夢の中で会えるわ』
「え…… ええ」
悲しい記憶を呼び覚ましたのを詫び、せめて夢の中で相棒に再会できるよう願い、眠りに落として去って行く一同。
「行きましょう、使い魔は川澄舞の中に帰ったそうよ」
「引き出すだけじゃなくて、ついに戻しやがったか、凄えな、何者だあいつ」
「天孫の末裔たる、現人神よ、不敬な態度は控えなさい」
舞の部屋。
「掛カッタナ、体ヲ返セ」
舞に伸し掛かって首を絞め、口を開いて舞本体に侵入しようとしている魔物。
「佐祐理さんっ」
喋り方や、舞の腕力に対抗している所からも、祐一の目から見ても佐祐理が魔物に支配されて操られているのは分かったが、腕力のない自分がどうすれば良いのか分からない。
舞も、このまま首を絞められて意識を失えば、魔物に体を奪われ、自分は追い出されるか、体の隅にでも追いやられ、飼い殺しにされるかもしれない。
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