舞の処女喪失、運命の少年と繋がる
[2/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
相変わらず意味不明の解説をする舞だが、ジャージの袖をめくった所で佐祐理も気付いた。
「手の傷が全部消えてる……」
一生消えないような深い傷や、青痣が定着してしまった黒い染みも無くなり、綺麗になっているのに驚かされる。
「…前に私が魔物を追いかけてるのは言ったでしょ? それは私が追い出した手足や胴体だったの。そいつらが夜の学校に現れて、ずっと戦ってたんだけど、二月から出なくなって探してたら、香里さんと栞さんに取りついて操ってたらしいの」
「はあ」
意味が分かったような分からないような返事をする佐祐理。
祐一も口を挟んで解説しようかと思ったが、舞が以前どこまで話しているかも知らないので任せることにした。
「…昼前には栞さんと戦って、憑いてた魔物を祐一が説得してくれて、自分の体に取り込んでくれたの。ついさっき、香里さんと戦ってた時も祐一が話して、香里さんから魔物を取り出して」
「ちょ、ちょっと待って、分からないわ、どうして舞が栞さんや香里さんと戦ったの?」
まず基本的な話からしないと難しそうなので時間がかかり、佐祐理以外の追手が来そうな予感がして縮むオットセイ君。
「…二人とも魔物がついてたから。誰かの命を奪って生きてるみたいだから、私が狩らないといけない」
「そ、そうなの?」
永遠に平行線を辿りそうな二人の会話に我慢できず、つい口を挟んでしまう祐一。
「舞が追い出してしまった使い魔が、人様に迷惑をかけてるみたいだから、捕まえないといけなかったんだ。だから俺が代わりに回収して舞に返した。両手の傷が治ったのは多分そのせいだ」
「そうなんですか」
佐祐理に解説するのは難しそうだったが、何とか頭に詰め込んでもらう事にして続きも話す。
「栞に憑いてた右手が悲しいと思える心を持ってたから、舞は泣けるようになった。香里に憑いてた左手が怒りの感情を持ってたから、これから舞は怒れるようになった。他にも色々戻ってるはずだけど、残り三体いるからこれからも探さないといけない。全部集めたら、舞にも恥ずかしいとか、冷たいとか色んな感情が戻ると思うんだ」
「ええ……」
色々と無理難題を押し込み、苦しそうな佐祐理の頭。しかし舞の感情の変化には気付いて、手の傷が治ったのにも喜んでいた。
「さっきシャワー浴びた時も、水なのに平気で浴びてたし、体中傷だらけだったし…」
「シャワーを浴びた? 体中傷だらけ?」
祐一の話を遮り、違う所にグイグイ食い付いて下さる倉田家のお嬢様、ソッチ系の話には超ビンカンでいらっしゃるらしく、また目を見開いて怖い表情におなりになった。
「はわわわ」
佐祐理の逆鱗に触れてしまったのに気付き、恐れおののく祐一クン。
「…私が誘ったの。祐一は私と麦畑で遊んでた男の子だったから、もう私たちは一つにならないとい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ