新暦79年
覇王襲来
memory:30 試合前と試験前
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ういう理由なのね」
テストと聞いてスバルは苦い顔になった。
スバルはテストが苦手だったのでしょうか?
「ええ。あ、でも悠莉がいない代わりに……―――出ておいで」
声をかけると私の影が揺らぐ。
「…………えっ?」
スバルたちが見間違いかと思ったようでしたが、それを否定するように波打ち、影が浮き上がる。
影から出てきたモノを見て、特にアインハルトが驚きをあらわにした。
「? 三人ともこの子を知っているのですか?」
「まあ、知ってると言えば知ってるけど……」
何故か知ってるみたいですけど、一応、紹介しておいた方がいいでしょうか?
「一応紹介します。この子は悠莉の使い魔で、名前は……ニヒルです」
「初め、まして? 久し、ぶり? マスタの、使い魔、ニヒル」
ニヒルが紹介を終え、三人に目を向けた。
ティアナは眉間に手を当て、頭を抱えている。
スバルは頬を掻きながら苦笑い。
アインハルトは目を見開いてニヒルに視線を送っている。
「皆さん、どうかしました?」
コテンと首を傾げる。
「……さすがユーリね。相変わらずの過保護っぷりは」
「あ、あははは……」
そんな中、アインハルトの視線に気づいたニヒルが私と同じ様に首を傾げた。
「なに?」
「あっ、いえ、その……」
「……再戦?」
「っ、はい」
「構わない。でも、また、今度。キミ、強くなった、その時やる」
「お願いします」
話も一段落着いたところで、タイミングよく頼んでいたランチが届いた。
四人でランチを取ってヴィヴィオとアインハルトが試合をする会場、アラル港湾埠頭に配置された廃棄倉庫区画へと向かった。
それにしても、スバルが食べたあれほどの量の料理は一体どこに消えていってるのでしょうか? 不思議です。
-side end-
-side 悠莉-
「悠、本当に行かなくてよかったのか?」
「ん? なにが?」
カリカリとペンを動かしていると隣のライがそんなことを聞いてくる。
「なにがって、ヴィヴィオちゃんが試合してるんだろ? それを観に行ってあげなくていいのかってことだ」
ノーヴェさんから聞いた話だと、廃工場でヴィヴィオが覇王っ子と練習試合するとか。
「ああ、それな。……まぁ、大丈夫だろ。私の代わりにイクスが行ってるし。確かにヴィヴィオも大切だけど、今度の試験対策…こっちの約束の方が早かったんだしね」
「……悠がそう言うならいいが……」
「ま、知ろうと思えば知れるさ。ニヒルもイクスにつけて行かせてるし」
そう伝えるとライは溜め息を吐いた。
「……やっぱ悠は悠だな」
「なにがさ?」
私
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