暁 〜小説投稿サイト〜
夏休みが終わって
第三章

[8]前話 [2]次話
「また迎えに行くわね」
「わかりました」
「さて、今日から新学期だから」
 朋子は娘と話した後壁にかけてあるカレンダーを見てまた言った。
「忙しくなるわね」
「そういえばそうなんだな」
 末森も言う。
「学校じゃな」
「そうですよ」
「何かこの仕事をしてるとな」
 野球選手をしていると、というのだ。
「学校の休みとかはな」
「関係ないですか?」
「ペナントはじまって終わるまで勝負って感じで」
「それで、ですか」
「あまりな」
「季節感はですか」
「はっきりとはしてないな」 
 そんな感じだというのだ。
「特にナイターが多い時はな」
「そうした感じになりますか」
「どうもな、けれどだな」
「はい、詩依ちゃんは今日から学校ですよ」
「わかった、じゃあ詩依今日からな」
 父親としてだ、未森は娘に優しい笑顔で声をかけた。
「学校もピアノも頑張って来いよ」
「はい、お父様」
 詩依は未森に笑顔で応えた。
「どちらも頑張ってきます」
「そうして来いよ」
「それでお父様もですね」
「ああ、今日も打って来る」
 父としてだ、娘に約束をした。
「ホームラン打ったらお土産買って来るからな」
「お土産ですか」
「ホームランの時の賞品をやる」
 このことも約束するのだった。
「楽しみにしているんだぞ」
「わかりました、じゃあ今から御飯食べて行って来ます」
「そうするんだ、じゃあお父さんは御飯を食べてから少し休んで」
 そしてとだ、未森は一日のことを考えはじめた。
「ランニングに行くか」
「朝から走られるんですね」
「ああ、いつもそうしているんだ」
 どれだけ雨が降ってもだ。未森は毎日走っている。毎朝二十キロ走ってそれから他のトレーニングをしているのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ