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KANON 終わらない悪夢
24舞と佐祐理
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」とか、髪を切らせた上に「遺髪を渡す」とか、先ほどのホームルームでは大幅にやり過ぎ、さらに午前中には偽装した物とは言え「婚姻届」を提出してしまった。
 このままではクラスのほぼ全員に祝福されて結婚式が行われ、書類に不備がなければ婚姻届が受理されてしまう。嬉しいのだが恥ずかしすぎて死にそうな結果に、また顔が青くなったり赤くなったりして忙しい香里の自律神経。
「もういいんですよね? だったら祐一さんは返してもらいます、お姉ちゃんは祐一さんと別れて下さい」
 妹にもとどめを刺され、首元まで「わかったわよ」と出かかったが、声帯と気管と肺が発声を拒否した。
 もう自分の体は「祐一と体が離れられない関係」で、「充電器と付属品」「世間には言えない不潔な関係」なのも理解できた。
「嫌よ、そんなの、別れたりなんかしない」
 以前の気の強さが発揮できないので、まだまだ弱気だったが、別れるのが嫌なのは香里内部の会議でも満場一致で議決された。

『香里、相沢君と別れてくれるんだ、良かった。後は私に任せてね、相沢君と私、結婚するね、祝福してくれる?』
「なっ、どうしてお嬢が? 結婚? 何で?」
 栞の方向から嫌な気配がしたが、これは香里への挑発なので構わず続ける。
『私ね〜、相沢君と小学校からの同級生でね、お互い初恋の相手だったのよ。それで運命の再会しちゃって、今朝結ばれたの、いいでしょ?』
 祝福も賛同もできないので全然良くないが、現在の香里的優先度では、栞>祐一になりつつあり、秋子の決定でも栞が優先で、自分には権利が無い。
 それに祐一は、目の前のチンチクリンでチンクシャで、こまっしゃくれた中学生みたいな女とヤルことをヤってしまったのも理解できず、寝起きのボケた頭に鞭を入れ、急速に目を覚ました。
「いつの間に? 相沢くんに何したの?」
『したんじゃなくて、されたの。私んち、一人暮らしだから学校サボってしようって言ったらすぐ来てくれてね、もうスッゴイことしてもらったの』
 名雪のような秘めた思いではなく、目の前で堂々と宣戦布告してきた友人を見て、ガンを飛ばそうとしたが、「祐一は自分の物」と言えず、恥ずかしくなって目を逸らす。
「どうして? 相沢くんは栞と結婚するのよ、そんな訳ないじゃない」
 とりあえず妹の名前を出して優先順位を主張するが、それでは自分も愛人一号になってしまう、学校での工作や世論を利用して戦うはずが、祐一に対してはこうも弱くなってしまった自分を呪う。
『私は相沢くんが転校してきた時には、すぐ気が付いたんだけどね、私が「真琴です」って言ったら彼も気付いてくれてね、「八年前からずっと好きだった」「結婚しよう」って言ってくれたの〜』
「嘘よ、皆であたしをからかってるんでしょ? 相沢くんはそんな人じゃない」
 術を掛けながらとは言え
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