暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
24舞と佐祐理
[8/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は、舞が襲われているような状況も仮定して、現地で戦う準備を心がけた。
「もうすぐ着きますのでご用意下さい」
「ええ」
 倉田家の車が舞の家に近付き、佐祐理、セバスチャン組の突入まであと僅か。

 その頃のびょういん。
「くぁwせdrftgyふじこlp! キシャーーーー!」
 病院に駆け込み、エレベーターホールまで来た栞は、到着したエレベータの中に舞を見たような気がしたが、幻のように消えてしまった。後ろに祐一の気配も感じたがそれも舞とともに消えた。
(祐一さんの匂いがする、さっきまでここにいた?)
 魔物に体を強化されてしまった栞は、獣のような嗅覚と勘で自分の恋人?を検知したが、確信は無いので後ろから続いてきた真琴一行と共に姉の病室に向かった。

 香里の病室まで移動した一同。通路には昨日トイレをノックして来た看護婦の服を着た人が立っていて、どうやったのか内鍵を解錠して迎えてくれた。
「今日もお見舞いですか? どうぞ」
(一応監視はしてくれてるみたいね)
(どこの手の者だ?)
 警戒して念話で話す真琴一行。眠っている香里は無事なようで安心したが、母親もおらず、テレビクルーもいない。
 上着は皺にならないよう脱がされてハンガーに掛けられていたので、舞や祐一にはできない配慮に、母親か看護婦風の女性の介助が感じられた。
「ふんっ」
 栞は匂いや赤外線で見た動きの動線で、マヌケな恋人が「また姉とキスをして、さらに川澄さんともキスして発情させ、病室で事に及ぼうとして追手を感じて思い直し、姉も自分もいない所に連れ込んで、エロエロな行為に及ぼうと画策し、可及的速やかに逃走を図ろうとした」のが手に取るように分かった。
「香里、起きて、大丈夫なの?」
「う〜ん、あと五分」
 お約束のセリフを言ってくれるが、数人がかりで起こされて、栞にはグーパンまで貰い、仕方なく目を覚ます香里。
「やっと起きた? どこまで覚えてるの?」
 真琴一行も、昼間まで感じていた「夜の使い魔」の気配が、香里から完全に無くなっているのに気付き、また祐一との間に移動の儀式が行われたのだと思えた。
「どうしたの、みんな? 栞も、ゆう…… 相沢くんは?」
 祐一と言おうとして目を逸らし、わざわざ言い直したのを見て、記憶はあるが、そう呼ぶのは拒否しているのも分かった。
『あ〜、香里、相沢くん諦めるんだ〜、呼び捨てにしないって、もう恋人じゃないって意味でしょ?』
 寝ぼけまなこで話し、祐一と呼べない面白おかしい状態の香里を楽しむ一同。
「違うわよ、あたしと、ゆ、相沢くんは、その、ラブラブ、なんだから……」
 後半は目も逸らし、消え入りそうな声で話す香里。先ほどの夢の中の出来事のような、魔物と舞や祐一との会話を朧気ながら思い出し、自分を支え、命まで繋ぎ、背中を押
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ