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KANON 終わらない悪夢
24舞と佐祐理
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も出来なかった。
「…もう、祐一と二度と離れたくない」
「ああ、今年1年同じクラスだし、卒業したって友達だろ?」
 祐一が言った「友達」と言う言葉がお気に召さなかったのか、舞の表情が曇る。
「嫌っ、友達なんて嫌っ」
「じゃあ、恋人か?」 
「それでも足りない、私達… もう溶け合って一つになりたい」
 こう何度も同じ事が起こっていれば、連れて来られる前に分かりそうなものだが、舞の言葉に操られ、天使の人形もそれを許したに違いない。そして聞かされるセリフと言えば。
『…抱いて』
 もう命令口調で術を掛けられ「拒否する」という選択肢は無かった。ベッドに押し倒され、上から乗られる祐一クン。
『私を食べてもいいから、祐一を食べさせて』
「はわわ〜〜」
 すっかりおかしくなられた舞さんは、「エッチしちゃう」ぐらいでは収まらないらしく、祐一クンの一部を食べて胃袋で消化して、自分と同化するおつもりでいらっしゃるらしく、大きく口を開けて祐一に迫った。
「食べちゃダメ〜〜」
 ここでマヌケな祐一クンは、舞ちゃんを普通の女の子と思って誘いに乗り、自宅まで行って一発お願いしよう、などと考えたのを後悔した。多分、オットセイ君も食べられてしまうに違いない。

 選択肢
1、舞に食べられちゃう

 既に祐一君には、舞に喰われて一つになる以外の選択肢は無かった。今回は心の声で秋子ちゃんに助けを求めて、愛の逃避行すらできないらしい。
『…祐一』
 祐一の顔を両手で挟み、とんでもなくイっちゃった目で見据える舞。今まで栞、香里、真琴(本物)など、死を間近に控えた女の表情や、怖い目を見て来た祐一だが、あの日の香里を越える目付きが存在するなど、思ってもみなかった。
『祐一に食べられて、一つになれるならそれでもいい。耳でも、胸でも噛み切って、一生治らない傷を付けて』
「はわわわわ」
 甲羅の中に入った亀のように、縮み上がって小さくなっているオットセイ君の上に、ジャージ1枚で跨り、「食べて欲しい」と言ってくる特殊性癖のお姉さん。
「この後、どうやったら溶け合えるの? 佐祐理も、お母さんも詳しく教えてくれなかった」
 相手が舞なので、性行為も知らず、単に深く交わる方法を知らず、「食べる」と言っているらしい舞ちゃん。
 どうにか説得して、正しい方法を教えれば、オットセイ君は食べられずに済みそうな気がしてホッとする。
「違うんだ、愛し合うには食べるんじゃなくて、舐めたり擦り付けたり、入れたり出したりするだけで大丈夫なんだ、噛み切ったり、食べたらダメなんだぞ」
「…うん」
 一応納得してくれたようなので安心したが、すぐに唇をこすり付けて来る舞。キスとか吸うといった行動とは全く違ったが、やがて本能に命令されたのか、口を大きく開けて祐一に襲い掛かる。その時、
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