新暦79年
覇王襲来
memory:29 想い
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い。
その証拠に本人まで戸惑っている。
少し落ち着くまで待って話を聞いてみた。
「ヴィヴィオの元気がなかった?」
原因はどうやらイクス自身ではなくヴィヴィオのことが気になっていたかららしい。
道場の練習が終わって帰っている途中に偶然見かけたようで、
「帰ってる途中にリオやコロナたちといるのを見つけたので声をかけようとしたんですけど……」
「様子がおかしかったから声をかけれなかったと」
「はい」
コクンと頷いた。
ヴィヴィオに元気がない、か……いつも笑顔でいるのから気になるな。
「悠莉、こういう時、どうしたらいいんでしょうか」
「そだねー……」
リオたちもいたってことはノーヴェさんとストライクアーツの練習かな? 練習中に何かあったのかそれとも……そういえば、ノーヴェさんがあの覇王っ子とヴィヴィオに会わせるとかどうとか言ってたような……
本人に聞くのが一番なんだろうけど、ヴィヴィオのことだから聞いても笑って誤魔化したりで変に気を使うだろうし。
こういう時、内に溜め込まないで外に出してくれればいいんだけど、そうはいかないよね。
「……今はそっとしてあげた方がいいかもね」
「ですが……」
「大丈夫。ヴィヴィオなりに頭ん中整理したらいつも通りの元気なヴィヴィオに戻るさ」
「ホントですか?」
「だてに何年もヴィヴィオの友達名乗ってないよ」
「……わかりました」
「イクスももっとヴィヴィオのことを知っていけばきっとわかるよ」
頷いたけどまだ心配そうな顔のイクスの頭に触れた。
「悠莉は、どうしてヴィヴィオが元気がなかったのか、知ってたりするんですか?」
「……どうして?」
「なんとなくそんな気がして」
「知らないよ。でも予想がつくってだけだよ。ヴィヴィオが落ち込む理由で真っ先に思いつくのが自分が大切にしているものや一生懸命にしていることを否定されること。今回なら誰かに自分のやるストライクアーツを否定されたんじゃないの?」
「……それじゃあいったい誰が……」
「さあ? そこまではわかんないよ。でもこれはあくまで予想なんだからあんまり真に受けないでよ」
「ゆ、悠莉、髪がくしゃくしゃになります」
イクスを荒く撫で、この話題を無理やり打ち切った。
-side end-
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