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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜それでも守りたいものがあったんだ〜
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れない!!!!」




フェイトの言葉が木霊する。

そうだ、誰だってこんなことは望んでいなかった。




でも、それでも、守りたかったものがあったんだ。




そこまでに強い思いを持つものは、そのために苦しんだ。




その言葉を聞き、スカリエッティはというと


『・・・・・そうかい・・・・では・・・・・お別れだ』




フェイトの言葉を聞いて、スカリエッティがなんともあっけなく通信を切る。
瞬間、玄武が血相を変え、声を荒げた。



「まずい!!!三人とも、急いで反対の扉へ走ってゆきなされ!!」

「玄武?」

「あれが動き出すぞ!!!フェイト嬢達は急いであの野郎の元へ向かえ!!!!おおおおおおおおおおおッ!!!!」






ゴドォン!!!!!





玄武が必死の形相で叫ぶや否や、獣神体へと姿を変えて、その巨体で真ん中に刺さっていた剣を押しつぶした。

それを見て、フェイトが気付く。


「まさか・・・・あれはッッ!!!二人とも!!急いでください!!!」

唖然としている二人を押し出し、フェイトが反対側の扉へと飛びだして行く。



途中で玄武の足元を通り、そうして扉まであと少し





と、いうところで






ドゴンッ!!!!






『ごアアアアアアアアアアアッッ!!!』



玄武の巨体が叩きつけられて、ガラガラという轟音と共に扉がひしゃげながら埋もれてしまった。
その状況にフェイトが唇を噛み、玄武が起き上がって悪態をつく。



『クソッタレ・・・申し訳ない。進路を断ってしまった』

「う、ううん・・・気にしないで・・・・でも・・・・あれって・・・・・」

『そう・・・・たしかフェイト嬢にとっては十年も昔の話ですからな。覚えてはいないかの?』

「・・・・・・覚えてるよ・・・忘れるわけがないよ・・・・・」




フェイトの視線のその先に、玄武を投げとばした張本人が、ドームの真ん中に仁王立ちしていた。




全身から黒い煙を噴き出して、逞しい漆黒の体躯に、三つの首、二振りの尻尾。
三対もあるその目は赤く光っており、その眼光はそれだけで射殺すかのような怒気を持っている。



その脚の爪は死霊ですらをも切り裂けるかのように湾曲し
その牙は魂ですらをも噛み砕くかのように鋭い





魔導八天が最凶の一振りにして、最強の使役獣




地獄の番犬、ケルベロス



条件によっては蒔風と一対一で交戦できるほどの化け物が、目の前に現れていた。






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