新暦79年
覇王襲来
memory:26 敗けだよね
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礼し、執務室を出て中庭へと向かった。
中庭に来てみると、イクスとヴィヴィオが楽しそうに談笑していて、その様子を見守ったり世話をしたりするナカジマ家姉妹と教会組、そしてヴィヴィオの後ろには愛機|《デバイス》のクリスがいた。
「ユーリじゃん。カリムたちとの話終わったの?」
その中でもセインがいち早く私に気付いた。
「うん。それに定期診断も終わったって聞いたからイクスを迎えに来たんだよ」
「そっか。ま、立ったままっていうのもアレだし、ユーリも一緒にどう? 準備するよ? それにほら」
セインの視線の先にはディエチさんはディエチさんで手招きしていて、双子ももてなす気満々でいる。
ウェンディはニヤニヤし、ノーヴェさんは諦めろと苦笑いした。
イクスとヴィヴィオはというと、話に夢中で私に気付いていない。
「……それじゃ、お言葉に甘えて」
「はいよ」
椅子を引くのは自分の役目と言わんばかりの自然な動作でオットーが椅子を引き、ディードが慣れた手つきで紅茶を淹れる。
「ノーヴェさん、ディエチさん、ウェンディ、お久しぶりです」
そう挨拶を交わす。
三人と直接会ったのは本当に久しぶりで、一・二年ぶりだろうか? とはいっても、ノーヴェさんは教会に来た時などに会ったりするのでそこまでないけど。
「そういえば、ユーリはうちら姉妹の中であたしとセインだけタメ口っスね」
唐突にウェンディ変なことを聞いてきた。
「そう言われればそだね。なんで?」
セインもウェンディの質問にのかってきた。
周りも興味津々といった様子で口を挟んでくる様子はない。
「なんでと聞かれても特に理由なんてないんだけど……強いて言うなら……」
「「強いて言うなら?」」
「……二人に敬語使ったらなんか敗けだよね」
「「「「ぷっ……!」」」」
残りの姉妹全員が吹いた。
「なんッスかその理由!? これじゃあ、いかにもあたしらがダメっ子みたいっス!」
「そうだそうだ!」
「よく言うよ。―――セイン、セインはシャンテとまたやらかしたらしいじゃん。ダイエット中のシスター・シャッハの隠してたお菓子を美味しくいただいて、シャンテは体重計に細工して大爆笑。最終的に二人してシスター・シャッハ直々に鉄拳制裁喰らったんでしょ?」
「な、なぜそのことを……!?」
「この前シャンテに愚痴聞かされたからね。……まあ、聞いててかなりおもしろかったけど」
シスターシャッハはそういうの気にしなさそうな感じなのにね。
まあ、シスターシャッハも女性だったということか。
っと、話が脱線しそうになったな。
「セインは仕方ないっス」
「でしょ?」
後ろから「仕方なくない!」と
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