23舞VS香里
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授業参観後、職員室などに挨拶を済ませ、香里と共に病院に拉致された祐一は、放送協会さんの車の後部座席で香里と母親に挟まれ、逃げ出せない状態になっていた。
さらに前の座席には、父親ではなく同行取材班の方が二人にカメラを向けて録画している。父親は会社にでも戻ったか、帰ったらしい。
「本当に我儘な娘で済みません、今日もこんなに大騒ぎしてしまって……」
大騒ぎと言うか、校内では今後香里以外の女との会話も禁止、来るべき結婚式までは、病院から教室に通う香里が監視して、そのままタクシーで病院直行という日々になり、行動の自由も失った祐一。
「ははっ、そうですね」
カメラの前なので、余計な発言まで禁止されちゃってる哀れな祐一クン。既に操り人形になり、上から糸で釣られて口のところにも切れ目があり、パクパクと口を動かして喋っていた。
(今後、左右の敵をシグマワン、シグマツーと呼称します、現在両機は友好的です。攻撃を加えますか?)
(おせーよ、外堀埋め立てられて本丸まで陥落してるよっ、無限エネルギーも香里の思いのままだよっ)
ボロい戦闘AIに苦情を言ってみるが、このAIは戦闘時以外起動しない、香里は弁舌だけで秋子ちゃん研究所を占領し、祐一の無限エネルギーを奪取したので、祐一クンロボに搭載された各種兵装も無力だった。
「ごめんなさい、昨日は普通の見舞い時間でお別れになっちゃって、「こんなに長い時間会えない」なんて、「貴重な残り時間」からすると「時間を捨ててる」みたいで怖くなって、学校に行っちゃったの」
香里の芝居はまだ続いているらしく、カメラの前でグスグスと泣き続け、括弧内を強調ながら、震えて祐一にしがみつく(振りをする)香里。
やがて病院に到着して車から降りると、入口前に舞がいた。どうやって移動したのか不明だが、車より早く到着して病院で待っていたので驚かされる。
(こいつも栞と一緒で、縮地だか何だか使えるんだな)
剣道部とか部活のふりをして、長い鞄に木刀と刀を隠し持っている女に近付き、軽く話し掛けてみる。
「よう、どうしたんだ、見舞いに来てくれたのか?」
「…まあね」
香里や母親と一緒に入り口を通ると、まだ昼間の病院では有り得ない状態で、一階のロビーはほとんど人がおらず、予め人払いが行われていた。そこで特殊な発声法を使う舞。
『…ちょっと香里さんと話があるんです、お母さんとテレビの人は帰って下さい。祐一、牛丼買って来て』
「え……?」
早速全員術に掛けられ 母親とカメラは帰らされ、「香里、屋上に行こうか、久しぶりにキレちまったよ」みたいな提案をする舞。
他の女達に邪魔される前に、香里に潜む自分の魔物と決着を着けるつもりで来たらしい。
「ええ…… 今日は解散ですね、ありがとうございました」
「じゃあ…… 相沢さん、香
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