暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
23舞VS香里
[7/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いた。左手の言葉は香里の深層心理。声に出したくても絶対に出せなかった本当の心。
「あたし、祐一に抱かれて嬉しかった。子供の頃はこんな方法知らなかったけど、大きくなったから。でも、このままじゃ産まれて来るのはあたしの子じゃない、この女の子供。何か嫌でしょ、自分が抱かれてるのに。だから最近、ずっと焼きもち焼いてたの。変よね、あたしなのに、あたしに嫉妬するなんて」
「お前も、舞の分身なのか?」
「ええ、その女の分身に決まってるでしょ? あたし達は体を追い出された手足や胴体、こいつは追い出した主人格。だからあたし達は自分の体を取り返そうとして、ずっと戦って来たの」
 そう言われ、ようやく魔物達が、舞の五体の分身だと気付かされる祐一。 
「ねえ、あの体に戻っても抱いてくれる? あいつ、まだ処女よ。本心では祐一が好きで好きで仕方ないの」
「やめてっ!」
 自分の心を勝手に告白され、悲鳴を上げる舞。
「こいつも、あたしが背中を押してやるから、すぐにオッケーよ。祐一だって嫌いじゃないでしょ、繋がってたからすぐに分かった」
 香里の体がほんのりと光り、全てを告白した左手は舞を許し、祐一に抱き着いて通路を作るだけの軽いキスをしようとした。
「お願いよ、今からでもすぐに抱いて。あたし、自分の体で祐一に抱かれたい。祐一の子供、自分の体で産みたい、そうすれば、きっと……」
 そのまま、祐一の腕の中で眠るように気を失った香里。舞の左腕は祐一に宿り、後は舞に許されて元の体に帰るだけとなった。

 選択肢
1,左右の腕を舞に返す
2,まだ返さない
3,自分の体の中で飼う
4,秋子ちゃんと愛の逃避行
 選択「1」

 舞に香里を任せ、近くにあった車椅子を借りて、香里を病室まで運んでベッドに休ませると、舞に向き直って近寄る祐一。
「…やめてっ、私に乱暴するつもりね? エロ同人誌みたいにっ」
 何か勘違いをして後ずさり、胸を隠して抵抗する舞。
「しないよ、安心しろよ。昼には右腕に、今は左腕に聞いた、お前は俺のこと好きじゃないのか?」
「…嫌いじゃない」
 その言葉と表情から「相当嫌いじゃない」のが見て取れた。
「じゃあ、受け入れてくれよ、元はお前の右腕と左腕だ、もう許してやってくれるよな?」
「…嫌っ、そいつらは魔物、私が倒す」
「何でそこまで争うんだ? もうこいつらは俺の中にいる、今度は俺を倒すか?」
 言葉に詰まり、答えられない舞。もう昔の事で、何故争い始めたのか、何故ここまで憎いのかすら覚えていない。その記憶は魔物が持っているかもしれないが、争いの切っ掛け程度は思い出せたので、ポツリポツリと話し始めた。
「…私も昔、祐一みたいに人の怪我や病気を治せたの」
「舞も? 俺と同じ?」
 それは舞も妖狐の血族で、真琴(本物)達が言う「
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ