22奇跡の恋シーズン3(捏造編)
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昼休みに祐一の教室で「奇跡の恋シーゾン2」が香里によって放送されている間、隣の教室では帰って来たお嬢にkwsk攻撃が再開された。
「やったわね、香里の妹も追い返したって? 名雪とか相手にもならなかったって評判よ」
既に校庭での栞との決戦の結果も、速報としてもたらされた教室。光より早い女の噂は、香里周辺以外での評判になっていた。
「それよりさっきの続きっ」
『え〜、どこまで話したっけ?』
「相沢への恋が憎しみに変わる所よ、早くっ」
女達のkwskの合唱が響く中、香里の裏番組では「奇跡の恋シーズン3(捏造編)」が放送される運びになった。
『あれは一月のまだ寒い頃、「昼休みに校庭でアイスクリーム食べてるバカなカップルがいる」って噂になった頃よ』
「「「「「おお〜〜っ」」」」」
奇跡の恋が始まった頃、既に憎しみの瞳で見ている女がいたと聞かされ、食後のデザートにはピッタリのドロドロの愛憎劇に期待し、目を輝かす女子一同。
『あんな寒い、雪まみれの校庭にいるのにアツアツの二人、私は暖房が効いた校舎にいるのに、心は冷えきる一方だったの。だってそうでしょ? 初恋の男の子と運命の再開をしたのに、相手は私を気付きもせずに、新しい恋に夢中なんだもん』
当時そんなことを思っていなかったのに、平然と嘘を並べられる隣のクラスの女と同等の嘘つき女、五時間目終了後には香里の「奇跡の恋シーズン2パワーアップバージョン」と対決させられ、血の雨が降るのは間違いない。
『だから私は、周りから攻めることにしたの、あの女が嫌な奴で、相沢くんには相応しくない女だってふれ回ったの』
当初の任務に従って、自分が祐一の「嫁」になるべく工作していただけだが、それも栞のせいにして、汚いローブローで攻めていたクソ女。
『みんな、香里があの妹のせいで「恋愛断ち」してたのは知ってるよね? それなのに香里の気持ちも考えずに、本人は姉が見てる前でイチャイチャイチャイチャ。相沢君と香里って、子供の頃から名雪と遊んでる幼なじみで、毎年夏にはボーイミーツガールしちゃってたのも知ってるわよね?』
「「「「「ええ〜〜っ?」」」」」
「香里の方が歴史長いんだ、妹から取ったんじゃなくて、香里が取られたんだっ」
本人ですら知らない、会ったことも覚えていない、名前も覚えていない男の子を、「香里の初恋の男の子」に昇格させ、「栞は悪い女」情報を増やしておく最低女。これを香里が知れば、自分に有効なカードとして利用して、全力で乗っかってくるのは考えるまでもない。
『私も相談されちゃって、「昔から憎からず思ってた男の子が、最近妹と付き合ってるみたい」って、だから言ってやったの、「そんな嫌な妹、無視しちゃえば」って』
香里に栞を無視させた張本人はここにいた。相談されてもいないのに、心の闇に付け込んで、
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