21最後の授業参観
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とした人格に代えられていたらしい。
「みんな、今日はありがとう、祐一にも会えたし、名雪とも仲直りできたわ、バイバイ」
「だめっ、まだ帰らないでっ」
席を立って、嘘逃げしようとした香里だったが、女子生徒によって教室に残され、祐一の席に香里、隣の名雪シートに祐一、余った場所に名雪が座り、教師が来るのを待った。
(って、次の授業、担任じゃないか)
間違い無く、そこまで計算し尽くした結果の行動に違いない。祐一は背筋に冷たい物が走って行くのを抑えられなかったが、そこで始業の鐘が鳴った。
断罪の鐘が鳴る、ここで祐一は人民裁判にかけられ、選択肢も「香里と結婚する」以外のシナリオは許可されず、全てが香里の思い通りに話が進んで行く。
「「「「「「「「「先生っ」」」」」」」」」」
「今、美坂さんが来てるんですっ」
「授業を受けさせて下さいっ」
「この時間だけでも相沢君と一緒にっ」
「うええ〜〜ん」
「分かった、分かったから落ち着けっ」
入り口で女子生徒に取り囲まれた担任は、香里の授業参加を認めるしか無かった。
「先生っ、この時間は全員で、命について話し合いたいと思いますっ」
普段冷静な委員長達も罠にかかり、その時間はホームルームと入れ替えになり、「命」について討論する時間となった。
(計画的やな)
今は、香里の本性を知っている祐一だけが、この状況を冷静に判断していた。
「実は今日、美坂のご両親が来られているので、特別に授業を見て頂く事になった」
さらに香里の両親が招かれて、後ろの入口から入り生徒に向かって頭を下げる、そして…
(カメラだ……)
香里に密着取材しながら、事前に学校側や教育委員会にも許可を取っていた放送*会の皆さんが、カメラを担いで現れた。
(これも計画のうちなのか?)
もう驚きとか、そういった次元を超えて、恐怖しか感じない祐一。
「それと、テレビの方も取材に来られてるが、普段通りにするように」
すでに、命について語り合う時点で普通では無かったが、業務用カメラが教壇の横に設置された事で、次第に異世界へとずれ込んで行く教室。
(やられた……)
きっと病院を逃げ出した香里が、「祐一に会いに行って来ます」みたいな書き置きを残し、それを見た両親と取材班が車に乗って学校に急行、本人の無事を確認してから両親が学校に頼み込み、「最後の授業参観」が行われる事になったらしい。
(今日はN*Kか?)
公共機関同士なら、ほぼフリーパスと言うか、断った方が問題になるような放送局を呼び込み、全国をも味方に付けようとしている香里。
(これを放送されたら俺は終わりだ)
他の女が術を使おうがどうしようが、カメラと言う証拠もあるので、香里と別れれば社会的に抹殺され、放送があった地域へ引っ越してもスーパーや商店
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