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KANON 終わらない悪夢
21最後の授業参観
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 やがて食事が終わり、栞を無事叩き潰した一同も満足して解散。イチゴが食べられなくなった名雪と、代わりに全部食べた舞を引き連れて教室に入ると。
「……それでね、病室で愛し合った後、祐一がアイスクリーム買って来てくれたの(嘘泣)、あれって今まで貰ったどんなプレゼントより嬉しかった」
「すごいっ、相沢君って優しいっ」
 すでに教室には、目を真っ赤に泣き腫らした香里が進入し、「祐一の席」に陣取っていた。
 数日前の予測に反して、僅かな時間で香里シナリオの書き換えは完了していて、「あたしの処女の値段は210円(消費税含む)」は削除され、半レイプ?に近かったと言い張る自分の惨状も話さず、全てが綺麗事で上書きされ、「奇跡の恋シーズン2」が放送されていた。
(しまったーーーーーっ!!)
 時すでに遅く、香里の計略により、祐一クンの外堀の埋め立て工事は完了していた。
 まずは「奇跡の恋」を姉の命のために譲った愛しい妹。それを見守るために敢えて絶交した親友。
 そして何より、この恋愛の主人公、主演、美坂香里と相沢祐一でお送りする、お昼のメロドラマが、数十分に渡って語りに語られていたらしい。
「それに、「もし10ヶ月持ったら、赤ちゃん産むんだぞ」って言われた時も凄く嬉しかった。それからも「大丈夫」って言ったのに、ずっと優しくしてくれたから、トイレの中で泣いちゃった」
 タマネギでも装備しているのか、鼻毛でも引っこ抜いたのか、香里の嘘泣きは止まらなかった。もう自分の話に入り込んで、芝居の域を越えているのかも知れない。
「香里っ、それってプロポーズじゃないっ、どうして結婚しないの?」
「いいの、私ってもうダメみたいだから、妹か名雪と幸せになって欲しいの、きっとあの二人だったら、「遺髪」も捨てないで見逃してくれると思うから」
 そう言って、泣きながら机に寄りかかり、先程話し終わっていた「短くなった髪」に注目が集まるよう、乱れた所を整えてみる。
「いやっ、死なないでっ、香里っ!」
 祐一の予想では、香里の発言に引いて、離れて行く予定だった友人は、逆に抱き付いて泣いていた。
「香里、あんたって奴は」
 友達を無くすと注意するはずだった女も、香里の心意気に感動して涙を浮かべていた。
「ありがとう、名雪ってあんな子だから、私が死んだら一緒に死ぬって言い出すじゃない。グスッ、だからあたしもキツイ事言っちゃったけど、きっと死んだ時、全部許してくれると思うから、それに、妹だって……」
 全身に力を入れ、まるでその時の事を思い出すように、震えながら泣いている(振りをする)香里。

 ザワザワザワ……
 香里の周りに、どんどん人が集まって来る昼休みの教室。そこで、教室の入り口を見た女生徒がいた。
「相沢君っ!」
「「「「「えっ?」」」」」
 香里の周りに
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