第8話
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協力費は私が支払うことになってるから、支払い終わるまで担保として『鞘伏』をヘファイストス個神に預けるとテレシア君は申し出たんだ。
ヘファイストスは斬魄刀の鍛ち直しだけでなく、担保の件でも喜んでいたなぁ。あんなニヤケ顔のヘファイストス、天界でも見たことが無かった。
正直、反応を見る限り斬魄刀の鍛ち直しなら無償で協力してくれたと思うけど、自分から担保を差し出す辺り、テレシア君は真面目な子なんだと思う。
いや、むしろ真面目な性格だからこそ斬魄刀の鍛ち直しができるのかもしれない。何故ならテレシア君はヘファイストスと共に休むことなく、現時点で2日2晩も斬魄刀だった素材を大槌で鍛ち続けているんだから。
最初は鍔も柄もない大刀と石包丁みたいな形状の小刀だった二刀が今では完全に混ざり合って1つの素材となり、一刀の大刀として鍛ち直されている。そして――――
「……ヘスティア様、仕上げです」
「漸くボクの出番だね」
ベル君の為に鍛ち直された斬魄刀を完成させる最後の工程に入った。解放状態だけでなく封印状態でも所持者――ベル君と共に成長する斬魄刀へと仕上げる工程に。
「これを使いなさい」
「ありがとう、ヘファイストス」
ボクはヘファイストスから手渡されたナイフで指先を少しだけ切り、出てきた神血を完成直前の斬魄刀へと一滴垂らす。
すると鍛ち直された斬魄刀が光を放ち、発光が治まると柄も鍔もハバキもない東洋の出刃包丁と呼ばれている調理用ナイフの様な大刀が完成していた。
その刀身は白銀の刃と漆黒の峰の2色に別れ、神血を加えた証拠である神聖文字が刻まれている。
「これが―――」
「はい。ベル君の為に鍛ち直したベル君だけの斬魄刀です」
「銘は決まっているの?」
「はい。この斬魄刀の銘は『――』です、ヘファイストス様」
「『――』……、いい名前ね」
「えぇー!どうせならもっといい銘にしないかい?『羅武・辺素照衣亜』とか」
「何よ、その駄作臭極まりない銘。『――』の方が断然いいわ」
「というか、ヘスティア様の考えた銘を『――』が全力で拒否してますね。ヘスティア様がその銘を口にした瞬間から『――』の刀身が曇り始めました」
「………そういえば、貴女の鍛つ特殊武装は斬魄刀も含めて高位精霊みたいに意思を持つものが多いんだったわね。名刀を鈍らにしたくなかったら変な銘を付けようとするのは止めなさい、ヘスティア。」
「うぅ〜、分かったよ。『――』君の銘を変えたりしないから、機嫌を直しておくれ」
ボクが『――』君にそう言うと、曇っていた『――』君の刀身が輝き出した。どうやら『――』君は機嫌を直してくれた様だ。とい
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