20栞対リボン
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駆けて行く栞。祐一も腰が抜けているのか、恋人を追えず、ガタガタと震えることしかできなかった。
「「「「「「「「おお〜〜〜っ!」」」」」」」」
周囲のギャラリーも、血印だとか契約なんかは、術が効いて単語が頭の中から放り出されて認識できなかったが、リボンの女が勝利して、恋人で婚約者の女が敗北して泣き言と捨て台詞を残して逃げ出したのを見た。
メシウマな状況に女達は箸が止まらず、男達は栞を引き留めて自分が後釜に座ろうとしたり、女の子の手作り弁当の残飯だけでも頂こうとしたが、残らず撃破されて張り倒され、女心の複雑さを堪能した。
「…おいしかった」
どの意味で美味しかったのか分からないが、舞は最後まで箸を離さず、栞の汚染物質まみれの弁当もタップリ食べ、味方なのか敵なのかよく分からない女達の弁当も食べた。
そこで、栞が忘れて行ったのか、置いて行ったのか分からないデザートのパックに気付き、開いてみた女、量産型ザコ1号がいた。
「おお、名雪、お前が好きなイチゴがあるぞ、全部食べろよ」
「え? いいの」
いつも怖い系の話をよくする相手に引きながら、イチゴパックを受け取る名雪。
「ああ、アタシは農家のオッサンに色々聞かされてから大嫌いになったんだ、こいつらも全員そうだぞ」
「イヤ、言わないで、その続きだけは言わないでっ」
次に聞かされる言葉が、自分が聞きたくない言葉の中で、寝起きに祐一に聞かされた「もうお前とは終わりにしよう」に次ぐ、人生でベストスリーに入りそうな嫌な言葉になりそうで、耳を塞いで拒否するが、大声で聞かされてしまう。
「イチゴってのはナメクジが一杯入るそうなんだっ、一晩中グチュグチュ表面を這い回ってな、見えないぐらい小さな奴まで中に入って食うんだとっ、「またナメクジ入りやがって」って取る動作を見せてくれたんだけどな、それが出荷しないように千切ったのか、ナメクジだけ取ったのかは教えてくれなかったんだっ、あれからアタシらイチゴが食えなくなってな、あははははっ!」
自分と同じ犠牲者を増やし、高らかに笑うザコ1号。周りの女達もまた同じネタを聞かされ、何とか食べられるようになったイチゴがまた食べられなくなった。
「いやあああああああっ!」
無事、聞きたくなかったトリビアのナンバーワンに輝いた言葉は、名雪のトラウマとなって、無限エネルギー名雪エンジンの動力源である、イチゴ本体、イチゴクリーム、イチゴジャム、イチゴペースト、イチゴ味の品物全般が食べられなくなり、名雪の無敵状態は解除された。
「うぐぅ、また栞ちゃん負けちゃったよ」
自分が応援していた栞が負けてしまい、落胆するあゆ。隣りにいる自分の守護天使?は、栞や他の女を幸せにするつもりは微塵も無く、不幸にすることばかり考えているようで嫌になった。
(あゆちゃんは
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