20栞対リボン
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まっ、何ですか? その茶色くて貧乏くさいタッパー、全部煮物とか煮物とか煮物じゃないですか? お婆ちゃんの料理? 肉や魚どころか、ご飯も無いなんて、臭そう〜」
鼻まで摘んで、茶色い煮物の数々を嘲笑い、貧しい内容にも苦言を呈するペギラ。砂でも蹴り込んでやりたかったが、そうすると全力での戦闘が開始されるゴングが鳴るので今は自重した。
「貧しい庶民の貴方は知らないだろうけど、これは五穀断ちと言ってね、生臭物を断った上に穀類まで断って、心身を清めて引締め、体に不浄を入れないための努力の結果なんですよ。この高級素材を見て気付かないなんて、お里が知れますわよ、オホホ」
汁物が多いので、タッパーに詰めさせて、茶色い上に貧乏臭いのを拭えない精進料理。その中身は無農薬野菜と天然塩、天然醤油で纏められた高級食品で、栞が持っている業務用スーパーで買った中国産のゴミで、何だか分からない肉から製造された「ピンクスライムモンスター肉(くず肉のアンモニア漬け)」を「何かの腸」に詰めて加工して「燻製液」と「着色保存料」に漬けて「赤ゴキブリ」の赤で染めたハムや赤ウィンナー、死んだブロイラーか病死鶏肉で作ったミートボールといった穢れた食品、92年の大凶作以降、残留農薬タップリの中国米が大量に混入された事故米、汚染米、遺伝子組み換え食品が沢山混入された物体、化学調味料の塊と「醤油に似た液体」「黒く濁って何が入っているかすら表記できないソース」「絶対腐らないケチャップ、マヨネーズ」で味付けされた弁当とは比べ物にならない内容だった。
「まあ、二人ともそれぐらいにして」
まるで嫁姑戦争のような会話に恐れをなし、何とか栞も着席させようとしてみる祐一。右側にはお嬢が陣取り、左側には「怪我した左手の代わりになってアゲル」という表情のトイレの少女がいたが、栞は左側に寄って「どけ」と一言だけドスの聞いた声で言い渡すと、少女は「ヒッ」と小さく悲鳴を上げて退散して行った。
『まあ? 何ですか、その汚らしい料理は? 病死した鳥の肉に化学調味料と言う名の毒をまぶして、汚染された下水油や機械油で揚げた唐揚げと呼ばれる汚物。ネズミかミミズの肉や腐った肉を洗濯機に掛けて薬品で消毒して、永久に腐らない保存料を混ぜて、すり身にして分からなくした後で、ゴキブリの赤で染めたウィンナーと言う名の毛虫。雄鶏に生まれて卵を産まないからと言って、孵卵してすぐに粉砕機に送り込まれて、あんな愛らしい姿から羽毛や骨ごと直接ゴミとして処分されてしまった可哀想なヒヨコを加工した、ナゲットと名付けられた怨念の塊。魚毒性も知らないで、小魚から順に重金属を貯めていって、大きくなればなるほど水銀や放射性物質を貯めこんで、妊娠中に食べれば子供に障害が出る、魚料理と呼ばれる胎児への殺意。食べるためだけに育てられて一年ほどで出荷され、泣き叫んで嫌が
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