アインクラッド編
少女の名前
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よって鎮められていた。
エギルがキバオウを鎮める際に取り出した攻略本はアスカも持っており、まともな情報収集能力すらないアスカには大いに役に立っていた。
その騒動以外は特に何事もなく会議進められていった。
しかし、パーティーを作ってくれ!というディアベル指示にアスカの隣の少女がひどく慌てた。
場にいたプレイヤーはきちんと数えると44人。
パーティー編成――ボス部屋には1パーティー6人×8パーティーまで突入することができるらしい――をする際にあっという間にアスカと少女を除いた42人で7パーティーが作り上げられた。
馴れ合うように楽しげに話し合っていたプレイヤー達の輪の中には入りたくないと思っていたアスカは取り残されたことに慌てることもなかった。
少女は次々と6人パーティーができあがっていく様子を見ながら、アスカに声を掛けてくる。
「・・・・あぶれちゃったね・・・」
「俺は仲良しごっこをしている連中に参加したくなかっただけだ」
アスカは少女と話すときもかなり口調は悪い、というか取り繕わずにいる。
別にご機嫌を取る必要があるわけでもない。むしろ嫌われても構わないと思っているほどだ。
だが、少女にとってアスカのざっくばらんな態度は気を悪くするものではないらしい。
「そっか・・・。じゃあ、わたしとパーティー組んでくれない?いくら君のプレイヤーとしての能力が高くてもボスは1人じゃ倒せない。それにボス戦に参加するためには形だけでもパーティーを組んでおく必要があるから」
これまでの会話でアスカは精神論などが嫌いであると理解した少女は効率や理論的にアスカを説得する。
アスカも他の仲良しごっこをしているプレイヤーと組むくらいなら、この少女と組んだ方がいい、と判断して頷き、肯定の意を示す。
すぐにアスカの目の前にパーティー申請をされたという旨のメッセージが届く。
迷わずにイエスボタンをクリックする。
不意に少女が顔を正面に固定したまま、左上を目だけを動かして見つめている。
「・・・・アスカ・・・であってる?」
不意に名前を呼ばれて驚き,体に緊張が走る。
アスカはこの世界に来てから自分の名前を他人に教えたのはケイタたちのパーティー以外に記憶がない。
「もしかして・・・パーティー組むの初めて・・・・?」
訝しむような目を向けていると少女が訊ねてくる。
パーティーを組んだことと、名前が知られていることの関連性が分からないが、取り敢えず頷く。
「それでかー・・・・。ええと・・・パーティーを組むと自分のHPバーの下にパーティーメンバーの名前とHPバーが新しく表示されるんだ。自分の視界の左上のところにあるんだけど・・・」
自分の左上方向を指さしながら説明する少女。
アスカはさっき少女がしていたよう
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