第三章
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唯は少年探偵団のシリーズもルパンのシリーズも読んでいった、図書館でもそうで家でもだった。それで仕事から帰って来た父の坂道も夕食の後にリビングで熱心に読書をしている唯を見て妻に顔を向けて問うた。
「唯は今日もだね」
「ええ、読んでるわ」
「ああしてだね」
「少年探偵団読んでるわ」
「僕も読んでたよ」
唯が読んでいるその本を見て笑顔で言う、小柄で丸い感じの顔で中性的な顔立ちだ。眼鏡は妻や娘と同じく丸眼鏡だ。黒髪は短い。
「どっちのシリーズも」
「少年探偵団もルパンのシリーズも」
「よく読んだよ、そして唯も」
「読んでるのよ」
「雅ちゃんもだしね」
「親娘三人でね」
雅は目を細めさせてだ、娘を見て夫に話した。
「そうなってるわね」
「読んでいってるな」
「あのシリーズは小学校にはよく置いてあるから」
「読んだよ、読むと面白くて」
「病み付きになって」
「あの娘もなのよ」
「そうみたいだね」
「あと少しでどちらも全巻読んでね」
そしてというのだった。
「夏休みの目標の百冊もね」
「読破出来るんだね」
「そうなるみたいよ」
「それはいいことだね」
「目標を達成出来たらね」
「こんないいことはないよ」
坂道は娘を見つつ目を細めさせた。
「目標を達成出来たらね」
「やり遂げることがね」
「人として大きく成長出来るから」
「だから唯ちゃんも」
「百冊読んで欲しいね」
「本当にね」
二人で話すのだった、熱心に読書に励む娘を見つつ。唯は家でも読書に励んでいた。そしてこの日は二冊読破して。
夏休みも最後のターン、八月二十五日にだった。
唯は図書館でだ、ルパンを読み終えて笑顔で言った。
「これでね」
「少年探偵団もルパンもなのね」
「どっちも全巻読破したのね」
「遂になのね」
「出来たのね」
「ええ、それにね」
唯は同じテーブルの友人達にさらに言った。
「百冊もね」
「無事に達成したのね」
「目標だったけれど」
「それが出来たのね」
「うん、今ね」
満足している笑顔での言葉だった。
「本当によかったわ」
「おめでとう」
友人達は唯に笑顔で声をかけた。
「目標達成出来てね」
「百冊達成してね」
「どちらのシリーズも全巻読めたし」
「よかったわね」
「感想はね」
百冊、そして二つのシリーズを読み終えたそれはというと。
「面白かったわ」
「どの本もなのね」
「そうだったのね」
「この夏本当に楽しかったわ」
そうだったというのだ。
「面白い本沢山読めて」
「それは何よりよね」
「少年探偵団もルパンも全部読めて」
「よかったわね」
「目標も達成出来て」
百冊読めてというのだ。
「本当によかったわ、だから来年の夏も」
「
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