第三章
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「シュークリームも食べるわ」
「チョコレートのよね」
「うん」
「じゃあ私も食べるわ」
「僕も」
空美と陸も言った。
「チョコレートも食べ放題だし」
「それならね」
「お父さんはどうするの?」
ここでだ、七海は父に問うた。見ればビールをジョッキでどんどん飲んでいる。肴はソーセージやフライドポテト、枝豆に唐揚げもある。
「チョコレートフォンデュいる?」
「いや、お父さんはいい」
父は娘にあっさりと答えた。
「甘いものはな」
「そうなの?」
「ビールを飲んでるとな」
それならというのだ。
「甘いものは欲しくなくなるんだよ」
「そうなの?」
「ああ、そうだ」
「甘いものは何時でも食べたくならないの」
「それはビールだと違うんだ」
これを飲んでいる時はというのだ。
「日本酒でもな」
「そうなのね」
「このことは御前達が大人になればわかるさ」
「お酒を飲める様になったらなのね」
「ワインなら違うけれどビールや日本酒は駄目だ」
こうした酒を飲んでいると、というのだ。
「甘いものには合わない」
「そうなの」
「そうしたこともおいおいわかるさ」
「そうなのね」
七海は父のこの言葉はこの時は聞くだけだった、実は空美も陸もわかっていなかった。そしてそのうえでだった。
フェスタのチョコレート菓子を好きなだけ食べた、勿論フォンデュを中心として。そして五人全員がもう食べられないと言った時にだった。
家に帰ることになった、帰りは玲子が車を運転したが。玲子は車を運転しつつ笑みを浮かべてこんなことを言った。
「最後にいい思い出が出来たわね」
「そうだな」
俊彦は妻に真っ赤な顔で応えた。
「本当にな」
「夏休みも終わるけれど」
「終わりよければ全てよしだ」
「そうなのよね」
世の中というものはとだ、玲子は夫に笑顔で言葉を返した。
「それで全部いい思い出になるから」
「楽しんだか?」
俊彦は助手席から後部座席の子供達に問うた。
「ファミレスは」
「うん、とてもね」
「お腹一杯食べられてね」
「最高だったよ」
子供達は父にそれぞれ笑顔で答えた。
「夏休みももう終わりだけれど」
「今日これだけ食べられてね」
「満足してるから」
「それは何よりだ、じゃあ宿題残ってたら終わらせるんだ」
「全部やったから」
三人共こう答えた、実は三人共成績はそれなりでこうしたことは忘れない。
「大丈夫よ」
「もう後することないから」
「日記を書くだけだよ」
「それは何よりだ、じゃあお父さんは寝るか」
家に帰ったらというのだ。
「沢山飲んだしな」
「ビールってそんなに美味しいの?」
その父にだ、七海はわからないといった顔で問うた。
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