第三十七話 リュエージュ防衛戦・前編
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念には大いに賛同しますが、部分的ですが反対の立場を取らせて頂いてます。反乱軍の様に平民を弾除けに使う訳ではありませんが、無学な平民はある程度貴族が教え導かねばならないと思っています。だからと言って平民と馴れ合う積りはありませんが……」
「う……」
カリーヌ夫人はアニエスの事を言っているのだろう。
マクシミリアンは良かれと思って、アニエスとアンリエッタを会わせ、同じ教育を施そうとしたが、それが原因で今回の内乱が発生した事に少なからずショックを受けていた。
マクシミリアンは、ノブレス・オブリージュの名の下に平民を奴隷の様な解放すればそれは近代化か? と内乱勃発以来ずっと悩んでいた。
カリーヌ夫人の言うように、無学な平民が大多数のトリステインでは、いきなり平民に権利を与えても上手く国が回るとは思えなかったからだ。
数が月前のアントワッペンの一件で、貴族と平民がお互い助け合った事を聞いて、それをトリステイン中に広めたいと思っていたが……。
(何事も順序があるし、僕も急ぎすぎたか。う〜ん)
マクシミリアンが黙考に入った。
こうなると中々、マクシミリアンは現実に戻ってこない。
「……か! でんか!」
「ハッ!?」
カリーヌ夫人の大きな声で現実に引き戻された。
「ああ、カリーヌ夫人。失礼しました」
「それで殿下。明日の出撃は許可を頂けますでしょうか?」
「……条件が有ります。烈風カリンが投入されるのは戦闘終盤です。全面壊走する反乱軍に対しての追撃のみ許可します。それまで僕の軍だけで対応します」
「……分かりました」
顔には出さなかったが不肖具象ながらもカリーヌ夫人は承諾し、マクシミリアンから去っていった。
その後、マクシミリアンはカトレア一緒に夕食を取ったが……
「マクシミリアンさま、このスープ美味しいですね」
「……ああ」
「マクシミリアンさま、今日色々な事がありました」
「……そう、大変だったね」
何処か上の空のマクシミリアンにカトレアが口を尖らせたのは別の話。
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