第三十七話 リュエージュ防衛戦・前編
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新兵器があるなんて聞いてない!」
動揺は広がり、やがて混乱になった。
「待て! 逃げるな!」
指揮官の貴族の制止も聞かず、敵戦列歩兵は列を乱し壊走していった。
『意外と使い物になったようですね、あの大砲』
「そのようだね」
マクシミリアンが率直な感想を述べていると、指揮官の貴族が杖を振り上げた。どうやら、逃亡を阻止する為に督戦しようとしているようだ。
「この腰抜けどもめ! 敵前逃亡がどうなるか思い知らせてやる!」
督戦の貴族は杖を振り上げた……しかし、貴族の魔法は放たれる事はなかった。
『パァン』という音の後、貴族は杖を振り上げた状態で仰向けに倒れた。
狙撃は塔の上から行われ、スコープ付きKar98kを持った執事のセバスチャンが、無言のまま排莢を行い次の獲物を探した。
「見事な腕前だ!」
「ありがとうございます殿下。更なる戦果にご期待下さい」
側に居たマクシミリアンは拍手で称えると、伏せ撃ち状態セバスチャンは一度立ち上がりマクシミリアンの方を向いて一礼すると再び戦闘へと戻っていった。
督戦しようとした貴族を狙撃した結果。壊走する戦列歩兵を止める事はできずに多くの兵の逃亡を許した。
戦後、逃亡兵が国境を越えてゲルマニア側で略奪行為を行いゲルマニアの政情不安に一躍買うことになる。
結局、この日の反乱軍は大砲の射程距離外までゴーレム共々軍を退くと、日没による戦闘終了までマクシミリアン軍と睨み合いが続いた。
……
日は西に沈み今日の戦闘をお開きになった。
ハルケギニアでは滅多な事では夜戦は行われず、日没による戦闘終了は暗黙の領域になっていた。
土メイジ数人は敵ゴーレムからの投石で崩れた城壁の修復の為に城外へ出て修復作業を行い。他のメイジたちも火薬の錬金や秘薬の作成などそれぞれの作業を行っていた。
マクシミリアンら司令部は、リュエージュで最も大きな宿屋「山の翁」亭を宿舎兼司令部に借りていた。
「初日は僕達の有利で終わったようだね」
「左様にございます。ですが敵がどの様な策をろうじてくるか分かりません」
マクシミリアンと守将のグリアルモントは、今日の戦況を話し合いながら宿舎に戻るとカトレアが出迎えてくれた。
「マクシミリアンさま、ご苦労様でした」
「僕は何もしてないけどね。カトレアは何をしていたんだ?」
「包帯の巻き方を教わっていました」
カトレアも何かの役に立とうと、色々な事に挑戦していた。
「そうか、僕はそれから司令部に顔を出すから、後で夕食をとろう」
「はい、マクシミリアンさま」
カトレアと夕食の約束をとり、マクシミリアンはグリアルモントと司令部ある部
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