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KANON 終わらない悪夢
18真琴(本物)
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「昼には何かが起こる」予知とやらが確実に実現されるのも簡単に予想がついた。
「相沢くん、これ、手作りのお守り、ずっと持っててね」
 幸運だか開運祈願の、普通に神社で売っているようなお守りを首にかけられる。
「え? ありがとう、手作りって、中身は何なの?」
「ヤダー、聞いちゃダメ」
 また先程のように顔を赤らめ、両手で顔を隠す真琴(本物)。お守りの中身は見てはいけないとか、西洋だとウサギの足が幸運のお守りと聞いていたが、中身を聞いてはいけない理由はわからなかった。
「どうして?」
「あの、昨日ね、むだ毛を処理したのね、ほら、まだ綺麗な体の女の子の「毛」って、幸運とかギャンブルのお守りになるって言うじゃない、キャーーッ!」
 祐一を軽く突き飛ばし、後ろを向いてモジモジする真琴(本物)、陰毛が少ないとは思ったが、これも相手を自分色に染める、マーキングの一環らしい。どこの毛か分かった祐一は、お守りを手にとってクンクンしてみた。
「ヤダー、匂いかいじゃダメッ、中も見ないでっ、落としてもダメなんだからねっ」
 行為前のお固い少女はどこに行ったのか? 回数が増えるごとに脳が破壊されて行くようで、残念な気もする祐一だった。

 やがて身支度も終わり、二人共シャワーも浴びず、相手の匂いを体中にタップリ付けたまま通学して行った。
「ほらほら〜、相沢くん、生理用の下着付けても全然隠れないや、どうしよう〜?」
 再びリボンを巻き、学校用の人格に入れ替わった真琴(本物)が、祐一に向かってスカートを捲り、大きめの下着の上からでも半分ほど見える「相沢祐一」と書かれた赤い痣を見せびらかした。
「それ、体育とか水泳の時、どうするの?」
 それを見た女子の間で話題になり、「この身は相沢様の所有物であり、誰にも触れさせないための刻印である」などと宣言された日には、隣のクラスの女子一同から袋叩きにされた上に、毛沢東語録でも持った紅衛兵によって吊し上げ集会が開かれ、首から「私は女の子の体に落書きして、刺青みたいに消えない痣にして自分の名前を書き込んだクソ野郎です」と書かれたプラカードを下げられ、人民裁判にかけられるのが予想できた。
「どうしようか〜、正直に言っちゃおうかな〜?」
「うぐぅ」
「うそうそ、術でも掛けて、『生まれつきの痣だ』って言い訳しておくから」
 軽い調子で言われたので、「私って生まれる前から相沢君と結ばれる運命だったのよ」とか「相沢くんの体にも私の名前の痣があるの」とか「小学生からの同級生で、お互い初恋の相手で、大好きだったのに告白できずにお別れして、ついさっき偶然再会して結ばれたばかりなの」などと宣伝しながら術を掛け、女の噂も利用して「奇跡の恋シーズン3」のヒロインの座に座ろうとするのでは無いかと思い始めた。

 学校にはすぐ到着したが
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