18真琴(本物)
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割って入り、両側から攻撃を受けようとしていた。
『やめてっ!』
祐一も、栞が誰かを殺してしまうなら、それは自分の方が良いと思えた。栞をここまで怒らせ、追い詰めたのは自分。その制裁を受ければ、栞も元に戻ってくれるかも知れない。
「…バカなの?」
そこで人払いの術を破って別の女が現れた。魔物が現れば必ず登場する、舞が木刀を持って薄い暗闇を打ち払い、暗闇は鉄製の門を切り裂いて消えて行った。
「舞? いつの間に」
暗闇が当たる前に、疾風になった真琴(本物)が突き飛ばし、校庭に倒れていた祐一も舞に気付いた。
『…やっと見付けた、こいつは魔物、私が倒す』
木刀を八相に構え、顔の右側から上に立てている舞。その殺気と声は他の術者をも押し留め、栞と対峙していた。
「禁忌を犯して、産まれてしまった忌み子」
『川澄…… 舞』
他の女達も、舞を汚い物でも見るようにして、唾棄すべき名前を呼んだ。
(ごめん、あゆちゃん、栞ちゃんは助けられそうにないや)
「だめだよっ、ボクこんなお願いしてないのにっ! 栞ちゃんを助けて〜〜っ!」
天使の人形に掴みかかり、どうにかして「栞を助ける」という選択肢を出させようとするあゆ、その願いは叶わなかったが、天使の人形の中でも猛烈な反発が起こり、その体を破ってでも外に出ようともがいていた。
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