最終章 無明編
第68話 派閥
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離れていても自在に操れる遠隔操作性を誇る。
警策はレモンティーを優雅に飲みながらリキッドシャドウに力を飛ばして、鎌となった分身体の腕をゆっくり布束を抱き抱えるようにジワリジワリと切っ先を掠らせる。
「いんや、せっかくオイラ達の計画に功労してくれた英雄っすからね〜。お望みに」
トビがニヤリと笑うと庇っていたミサカが動き出して、頭がすっぽり入るような機材を用意を始めた。
「?」
電源を付けると人工音声が流れて初期設定を済ましていく。
『それではミサカネットワークに接続します』
という音声が流れるとミサカはリキッドシャドウに拘束されている布束に機材を被らせた。
「それほどクローン体が大事なら1から100まで知るっす」
布束の五感が支配されてもはや自分の意思では立ち上がるのが不可能になった。
浮かび上がってきた映像は液体に包まれた自分自身、外に出されガラス越しに研究者が居る中で一方通行がやってきた。
よォ
オマエが実験相手って事でいいンだよなァ
「あ、ぎぃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああー!!」
混乱する頭に強烈な痛みが腹部から発生して絶叫を上げる布束を虫ケラのように見下しながら.......
「実験は途中で終わったっすけど9982回の死の旅に行ってらっしゃ〜いっす」
死の疑似体験は一瞬で次の実験がスタートしていく。逃げ出したいが身体が動かずに固定された運命へと五感をフルに使いながら次々と耐え難い苦痛の波は止まることを知らない。
「うっわ〜♪彼女精神崩壊するかもね〜。だって死の痛みなんて生涯で1回だけだよね。それをこんなに」
最低限に金属で固定した状態で布束を放置したトビ達は煌々と光るビルの灯りを見上げながら歪んだ笑みを見せる。
「計画も最終段階。じゃあ大覇星祭でもド派手に行くっすよ〜」
「......」
「割と楽しみね」
*******
幼き頃よりずっと身近に居た存在。
普段は厳しく気品漲る憧れの父親なのだが、時折嬉しそうに読んでいる物に興味が出て甘えに行ってみる。
「お父様うれしそうです」
「光子」
「お手紙......ですか?」
形式ばった枠の中にビッシリと達筆に書き込まれた手紙を見てみるがまだ漢字をやっと習い始めた婚后には理解出来ないが、尊敬する父親との会話になるのが嬉しく膝に手を置いた。
「ああ、古い友人からなら。学生の頃から馬鹿ばかりやっていたが、今も元気に世界を飛び回っているようだ」
「それがうれしいのですか?」
「友人とはそういうものだ。友人が幸せなら自分も満たされ悲しい状況にあるなら自分も悲しい
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