第7章 聖戦
第160話 崇拝される者
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それでも――
「今回の事件も無事に終了と言う事か」
他の場所。例えば、バトル・オブ・ブリテンならぬ、バトル・オブ・ガリア。つまり、侵攻して来たゲルマニア空軍とマジャールの飛竜騎士団との戦いや、西薔薇騎士団が強襲したヴェルフォールの実家の男爵様との戦いの経緯などは未だ分かりませんが、それでもリュティスで起こされる予定だった城門の奪取から、市内に火を放つ計画はすべて失敗した公算が大きい。
確かに俺の感知能力はそれほど高いとは言えない。しかし、このヴェルサルティル宮殿内の衛士の発して居る気配にそれほど差し迫った物が混じる事もなく、更に、遠くに感じて居る市井に暮らす人々の気配も大きな火気に侵されている雰囲気はないので、そう考えたとしても間違いではないでしょう。
未だ再召喚された今日と言う日が終わった訳ではないのだが、それでも少しぐらいの休養は必要。
大きく、ため息にも似た吐息をひとつ漏らしながら、そう考えを纏める俺。
この後、一度控えの間に戻り、それなりに身形を整えた後、再び大広間へと赴かなければならないのです。俺が召喚出来た事を祝う晩さん会からパーティへとなだれ込む為に。
そう考えてから、目の前で少し不機嫌そうな表情で俺を見つめている女子小学生に視線と意識を戻す俺。
そして――
「今回の件ではブリギットにも心配掛けたみたいやな」
すまなんだな。
今日の間にどれだけの相手に言わなければならないのか分からない台詞を口にする俺。確かにルルドの吸血鬼騒動の時の事を思い出すと、流石に名づけざられし者の能力で異界に送り出される事を防ぐのは難しいかも知れない。
少なくとも今まで経験した前世で、あの事件に対応する吸血鬼事件に直接、這い寄る混沌や名づけざられし者が関わって来た事はなかった。
……と言うか、奴らがこのハルケギニア世界に直接関わっている事が分かるタイミングは今回の人生が一番早い。……と思う。
それでも、絶対に防ぐ事が出来なかった事態だったか、と問われると、それほどの差し迫った事態ではなかったと思う。あの場だけでも何とか回避する方法はあったはず。
例えば咄嗟に形代に呪いを集めて、俺の方は虎口を脱する方法だってあったと思う。
しかし――
「べ、別にオマエの事なんて心配していないんだからね!」
今日ここに来た理由だって、盟約を交わしているガリアの状況を見るついでに立ち寄っただけ、なんだから……。
最初の方は勢い良く、立て板に水状態でスラスラと話しているのに、最後の方は何故かごにょごにょと非常に聞き取り難い言葉で話す崇拝される者。
当然、視線は俺から外れて虚空を彷徨する。
「そ、そもそもオマエが異世界に放り出された事を私が責める訳がない」
それに、と短
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