16入院2日目
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「ああ、そうだったのか」
頭の中の違和感を消され、治療のためなら仕方ないと思い直し、震える少女を捕まえて、人工呼吸をしてやる。
「ふううっ」
祐一の吹き込む息が、鼻から抜けているのに気付き、鼻を摘んでもう一度強く吹き込んでやる。
「うううううっ」
目を見開き、口をふさがれたまま悲鳴のような喘ぎ声を上げる少女。祐一を突き飛ばすように離れると、よろよろと後ずさって、座れる場所を見付けて便器の蓋の上に座り込んだ。
「はーーっ、はーーっ、はーーっ」
『ねえ、どうだった?』
「ええ、凄い気が流れ込んできて、入りきらないぐらいに。これなら香里が良くなったのも分かります」
『そっか〜、じゃあ次行ってみようか』
「アタシ、アタシ」
言われるまでもなく祐一に襲いかかった少女は、早速ディープなキスを始め、人工呼吸もしてやると、先程と同じように体がパンクする前に祐一を突き飛ばして離れ、両手で腹を押さえながらトイレの壁にもたれ、下にずり落ちて行った。
「キッツー、これ、キスだけで孕んじゃうよ、こりゃあ癖になるわ」
最後の少女も、期待と不安が混じった表情をしながら、鼻を摘まれ人工呼吸を受けた。
「ううううっ!」
祐一を突き飛ばせず、モタモタしている内に、鼻で呼吸した祐一に二度目の人工呼吸を受けると、立っていられなくなったのか、その場に座り込む少女。
「あっ、あたしパンクしちゃったかも? ダメダメ、怖い怖い怖い」
(チャクラが開いただけだ、じき収まる、心配するな)
額や胸を押さえて怖がる少女に、あの声が伝わると恐怖の表情が消え、友人に引き起こされると、やはり腹を押さえて壁にもたれた。
「あっ、出ちゃう、中身出ちゃうよっ」
耳や口だけでなく、乳首、ヘソ、アソコ、お尻など、何か出そうな穴を上から順に押さえる気の毒な少女。やがて人体の機能で「出してしまっても良い物」が選別され、顔色が悪くなった少女は、鍵を開けて近くの個室に駆け込み、盛大に前後から出る音で合奏を始めた。
「イヤッ、キカナイデッ」
隣から聞こえる小さな金切り声や水を流す音より、何かの突出音が大きく、空気が混じった音になると、一緒に泣き声も聞こえたような気がした。
「相沢、聞かないでやってくれ」
「え? ああ」
別の少女に耳を塞がれ、静寂に包まれるトイレ、やがてトイレットペーパーを回す音が聞こえ、大きすぎて流れなかったのか、洗浄音が三度聞こえた。
「あれ、便秘にも効くんだ」
暫くすると、手を洗う音がした後にドアの前に立つ人影が見えたが、一向に入って来ない。心配した友人がドアを開けると、その少女は両手で顔を覆い、シクシクと泣いていた。
「私、もうお嫁に行けないっ」
「心配すんな、相沢の耳は塞いでたから」
少女は友人の気の毒そうな表情を見て嘘だと気
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