16入院2日目
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七生報国!」「夜露死苦!」、中卒で部外者のマコトは特服上下、鉄パイプやチェーンで武装し、原チャリ用の半キャップヘルメットからは、パーマやブリーチで傷みきった髪がはみ出していた。
「ああ? やんのか? アタシらのシマでデカイツラすんなよっ、コブタどもっ」
三段警棒を振り出し、立ち上がるカオリ、ナユキ他数名、各自スタンガン、マスタードスプレーなど予備の武器も装備している。
「ッッシタラッ! カッ! テメッ! シッ!」
頭に血が登って、既に日本語にならない何かを口走りながら突撃するヤンキー軍団。
「かかって来いやーーっ!」
ギャルのチーマーとヤンキー軍団の抗争で無茶苦茶にされる教室。シオリのフルスイングのバットを、三段警棒を持ったカオリは難なくかわしたが、それはもちろん祐一の腹に収まり、北川と一緒に場外ホームランをキメられた。
以上、ド底辺高校の昼休みを見てしまった祐一の妄想が終わった……
香里のエロ自慢話が続く中、体の心配をした少女が話を続けた。
「でも、避妊だけはしておかないと、学校戻れなくなっちゃうよ」
「もう戻れないわ、昼の散歩だけで、付き添いがいないと出られないんだから、通学なんて夢のまた夢」
折角エロ話で盛り上がっていた病室は、また現実に引き戻された。
「検査の結果とかも良くなってるんだろ? 栞みたいに二ヶ月もしないで治るさ、また学校も行こう」
秋子の言葉を信じて、無責任な発言をしてみたが、特に後ろ盾があるわけでもなく、何の保証もない漠然とした話を口にしてみた。
「相沢、調子のいいことばっか言ってんじゃないよ」
綺麗事だけ並べて嘘で騙すのが嫌いな友人が、祐一に突っかかって来てしまった。
「何でもうちの家系には、そんな力があるらしい、癒やしだとヒーリングみたいな力が。名雪の母親が言うんだから間違いない」
「秋子さんが?」
心当たりがある者もいたのか、秋子の言葉なので信頼が高いのか、とっさの話でも通ってしまった。ここで栞を呼んで、例の曲芸でもやってもらえばさらに信じてもらえそうだが、手品のタネも分からない状態では、来客を驚かすのも難しいのでやめた。
「俺の力が無くなったら、次は名雪呼ぶからさ、仲直りしてやってくれよ」
香里は無言で答えた。顔色を変えるのも、表情を変えるのも、言葉を発するのも、全てが今の感情を現すのに不適切なので、無言で通した。
「お前らまた喧嘩したのか? 前は「夫婦喧嘩」って言ってやれたのにな、今は相沢と不倫か? 名雪が元カノってとこか?」
「また名雪とねえ? 今度は何したの? ああ、聞かなくてもなんとなく分かった、三角、いえ、四角関係? ひどい話ね〜」
それでも香里が無反応だったので、リボンの少女が気付いてはいけないことに気付いた。
「あ〜、相沢くんジゴロだから、名
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