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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#45
FAREWELL CAUSATIONX〜時ノ雫〜
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れようと
スタンドを解除するべきではなかった。






 ズドッッッッッッッグアアアアアアアアアアァァァァァァァァ
ァァァァァァァ―――――――――――――――――――
ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!! 





 衝撃、燃料、落下速度、あらゆる事象を促進剤にして
荒れ狂う爆炎がアラストールを包むより疾く、
天より招来した 『流星』 がアスファルトを砕き、
ソレによって捲き起こる大地の波濤が炎を黒煙諸共吹き飛ばした。
 後方に回避したティリエルの足がまた付かない秒速の(まにま)
意識だけが異常圧縮された濃密なる空間で、
招かれざる来訪者と彼女の視線が合った。
 実際に喋ったのかどうかは解らない、
そもそも音が伝わる秒間ではない、
にも関わらずティリエルの瞳にその存在は明確に認識され
聴こえない筈の声が届いた。





『オレの女だ、いただいていく――!』





 そんな暇はない筈なのに、少女はその青年の不敵な微笑すら視た気がした。 
 地に足がつけば即座にソラトの猛攻が襲い掛かるこの局面、
たが燃え盛る鉄の残骸が崩れるより迅く、
瀕死のアラストールを抱いて流星は再び天へと翔け昇る。
 気づいた時はスベテが終わっていた。
即座に巡らせる同 化(アジャスト)した『正 義(ジャスティス)』の感覚、
だが射程距離、半径300メートル以内に今の存在はない。
能力を発動させるより疾く、霧が浸透するよりも迅く、
少女を奪還し撤退した。 
「……ッ!」
 完全勝利を確信した少女の口唇が、屈辱の二文字に歪んだ。 





 意識はほぼ虚ろだったが、男はその青年の風貌を見つめた。
 存外、確信は在ったもののいざ現実となるとその境界が曖昧になるもの。
 だが託した者は此処に来た、満身創痍の全身ズタボロの姿だが
アラストールの心中は安堵で充たされた。
『待ち……かね』
「もう良い、喋るな。ケータイから聞こえた声で全部解ってる」
 詳細はこれから煮詰めなければならないが、彼のこの傷は無駄ではない。
“無駄にはさせない”
もしあのまま戻っていたなら、自分もアノ 『能力』 にヤられていたのは
間違いないのだから。
「前々から凄ぇとは想ってたが、
今日ほど凄いと想わされたのは初めてだ。
尊敬するぜ、アラストール。後は、任せな……!」
 今ならどうしてジョセフ(祖父)が、この男と共に居たのかが解る。
 本当の意味で強い、本当の意味で気高い、
与えられた力に甘んじる事無く、
どんな絶望的な状況でも希望を棄てず己の全てを賭けられる男。
 その男にスベテを託された、なら、
片腕のハンデなど無いも同然だ。

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