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KANON 終わらない悪夢
13香里VS栞
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ら痛いお注射を求めて来たので、そんな言い訳は却下だった。
「受けてもいいな?」
「…………」
「良くなってたら、アイスクリーム買ってやるから」
 ビクッ
 明らかに反応した香里だが、そんな物は両親にねだれば手に入る、何としても香里は首を縦に振らなかった。
「何かして欲しい事あるか? 俺にできる事なら何でもいいぞ」
「じゃあ、夜の公園の噴水の前でキスしたり、真冬の中庭でアイスクリーム食べたり、雪合戦してくれる?」
(うっ!)
 妹に聞かされていた自慢話が、とても羨ましかったらしい。思いっきり身に覚えがある情景を思い出し、栞の方向からも殺気がしたが、あえて気付かなかった事にする。
『ひえ〜〜っ、チッスですと、聞きましたかね』
『おやおや、心配して来てみれば、違う意味で大変な事になってたようですな』
『でも相沢君って、香里の妹と付き合ってるんでしょ?』
 そこで神妙な顔?をして座っている栞を見て、想像力を働かせる3人。
(はっ、まさかこの子、香里を治すために相沢君を譲ったの?)
(香里ってわがままだから、相沢君取られちゃったのね、かわいそう)
(修羅場よっ、修羅場)
 三人三様、違う想像をしていたが、これが噂の根源となって学校中を駆け回るのに、さほど時間はかからなかった。
「冬まで無理じゃないか」
「それと……」
 手を引き寄せられて、耳打ちするような格好をするので、耳を近付けた。
「赤ちゃん、お願いね」
「なにいいっ!」
 残り3ヶ月と言われ、絶望していた香里に希望を持たせるため、つい口走ってしまったが、今に至って、そんな恐れは全く無いように思えた。
「そ、それはまだ有りなのか?」
「うふっ、当たり前じゃない」
 そう言うと、真っ赤になってクネクネする香里。祐一は石化していたが、栞や友人には聞こえなかったようなので、何とか正気を保つ。
「願い事は3つまでだ、最初の3つでいいな」
 やはり限定解除だと、どんな無茶な願いでも叶えさせられてしまう、きっとあゆと出会う前も、名雪か誰かに酷い目にあったに違いない。
「いやっ、最後の一つでいいわ、残りは考えとくから」
 もちろんそれは、冬まで待って姉妹で雪合戦、などと言う甘い願いではなく、「赤ちゃん産むからセキニンとってね、あたしは留年するか退学するけど、祐一が18になったら結婚して、名雪や栞とはもちろん別居、あたしと赤ちゃんと三人で暮らすのよ、い〜わね?」ぐらいの厳しい要求だった。
「それって3つ以上じゃないか?」
「それなら、検査してもいいわよ」
 顔を赤らめながら、祐一の手に頬擦りする香里、今の人格は、「ラブラブ香里ちゃん」らしい。
「いいんだな、香里っ」
「えっ?」
 まだ交渉中にも関わらず、先走った父親がGOサインと勘違いしてしまった。
「え
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