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銀河英雄伝説〜美しい夢〜
第一話 養子
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ッケンベルガー元帥の腹心だ。その卿を養子にするのだ。公爵家はリヒテンラーデ・ミュッケンベルガー連合に与するという事になる」
「では次の皇帝はどなたに」
「エルウィン・ヨーゼフ殿下だ。サビーネ・フォン・リッテンハイムが皇后になる」
「!」

リヒテンラーデ・ミュッケンベルガー・リッテンハイム・ブラウンシュバイクの四者連合か……。しかしよくわからんな、ブラウンシュバイク公になんのメリットが有る? 一人割りを食っていないか?
「新公爵となった卿は家門の格から上級大将に昇進する」
「!」
「新公爵の最初の任務は反乱軍の討伐という事になる。それに勝てば元帥に昇進し、宇宙艦隊副司令長官に就任する」
「!」
軍の重鎮、名より実を取ると言うことか。

「ヴァレンシュタイン中将」
リヒテンラーデ侯が俺に話しかけた。今度は笑っていない。
「この件は断る事は許されぬ」
「しかし、それは」

「内乱が起きれば何百万という人間の命が失われるじゃろう。卿はそれで良いのか? 卿が貴族に対して穏やかならぬ気持ちを持っていることは重々承知じゃ。だからといって己の感情で何百万という人間を見殺しに出来るのか? ブラウンシュバイク公とて隠居して全てを卿に委ねると言っておるのじゃ。よく考えよ」
「……」

「ずるい言い方をしていることは百も承知じゃ。だがこれで帝国は安全になるのじゃ。逃げる事は許されぬ。すでに勅許も得ておる」
「勅許……」
汚いぞ、おまえら本当に汚い。

「陛下の御血筋の方の婚姻なのだ、当然であろう」
「し、しかし、小官は平民出身です。身分が釣り合いますまい」
とりあえずこれで逃げることだ。勅許まで得ている、撤回は難しいかもしれんが先ずは此処を凌ぐ、対策は後で考えよう。
「問題は無い。卿は平民かもしれんが、リメス男爵の血を引いているそうではないか」
「!」

「陛下が御教え下された。グリンメルスハウゼン子爵から聞いたそうだ。喜んでお許し下されたぞ」
余計な事言いやがってあの爺、俺に恨みでも有るのか。汚いぞ、おまえら本当に汚い。よってたかって弱いものいじめしやがって。だから俺は貴族が嫌いなんだ。

 


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