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ように、角を出してガブが入った如く変化して、無理矢理犯されちゃった苦い記憶があるらしい。
「あっ?」
何か男の友情と言うか、同じ戦場で戦った戦友のような感じがしちゃう祐一君。
「え、ええっ、あいつも昨日はそうでした、でも、あいつは誰が好きなのか、どうしても言わなかったのと、「自分の寿命が何週間なのか、何ヶ月か教えろ」しか言わなかったんで、交換で教える事にしたんです、すみません」
「いいんですよ、かえって助かりました。私も家内も聞かれましたけど、どうしても言えなくて…… 二人ともその辺りは敏感で、私の嘘なんかすぐ分かるみたいですね」
栞に似て、正直そうな父なら、誰が見ても嘘を見破れそうだった。
「それで、重い症状じゃないって思わせるように、一度帰りましたけど、栞のいた所じゃあ、すぐ分かりますよね」
また言葉に詰まって肩を震わせる父。
「いえ、あの部屋は栞さんが頼んだみたいですし、朝は先生も「姉妹なら同じように治る」って言ってましたから」
父親が泣いている姿を見ていられず、また慰めの言葉をかけてみる。
「ええ、そうですね」
次第に打ち解けて、男同士で話し合っていた二人。 その頃、病室では。
「すみません、香里の部屋はここで?」
昨日の祐一、北川、名雪と同じコースを辿って、女子数名がやって来た。
「「「香里っ!」」」
「どうしたの? その顔色っ」
「うそ……」
「やだーーっ」
雪のように白い香里の顔色を見て、絶句する者、恐怖で目をそらす者がいた。もちろんそれは、祐一と言うエネルギーの供給源が切れた後、冷水で顔や手を洗って、床ずれ防止用のベビーパウダーをつけた努力の成果だったが。
「もう、来ちゃだめって言ったでしょ、それに「笑ってお別れしましょう」って約束したじゃない」
そう言いながら、顔を背け、自分の肌が露出した部分を隠す。
「そんなのできる訳ないじゃないっ」
「そうよっ」
「うええ〜〜〜ん」
急に騒がしくなった香里の病室、そこに。
「おはようございます、美坂さんの病室は、こちらで宜しいでしょうか?」
カメラを持った取材班も到着してしまった、どうやら香里は、祐一が寝ている隙に、電話でピザ100人前注文してしまったらしい。
屋上に戻る…
それから、2月の終り頃から、ようやく会話できるようになった香里と栞の話をして、父の涙も収まって行った。
「そうですか、あいつら、仲直りしてたんですね」
「ええ、最初は見てられないぐらい、ぎこちなかったですけど、やっぱり若い者同士、同じ話題ができたら、すぐに楽しそうに話してましたよ」
それは、今では争いの種になっている、祐一についてだった。
「相沢さんは、もう少し香里の傍にいてやって下さい、せめてお昼ぐらいご馳走しますから」
「いえ、そ
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