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への復讐だったのか、「日本では話してはいけない言葉」が伝えられた教室は、騒然としていた。
病院の屋上……
昨夜の香里の様子を父親に話し、今の精神状態がどのぐらい危険か話していた祐一。
「それで、電話が終わってからも、「家の人に来てもらえ」って言ったのに、帰ろうとしたら「窓か屋上から飛び降りる」って言われて、帰れなくなったんです」
「そうでしたか、あの香里が。女房に似て気の強い奴なんですが、こう言う時はからっきしですなあ」
(母親似なのか?)
「ですから香里が落ち着くまで、しばらくそっとして置いた方が」
今すぐ二人のどちらかを選ぶと、残った方に滅ぼされそうな予感がして、懸命に先延ばししようとする祐一。
「そうですね、あいつは案外飽きっぽい所もあって、栞と取り合っていた人形とかも、「傷」が付いたらあっさり渡してましたから」
(傷……)
やっぱり包丁で刺されたり、手足が取れたり、骨や顔がぐちゃぐちゃになったりすると、あっさり諦めてくれるらしい。
「栞は優しい奴ですから、物でも生き物でも、それからの方が大事にしてやるんですよ」
(大事に……)
何気に娘自慢をする父だったが、祐一は包帯だらけになって栞に看病して貰う、ミザリーな自分を思い浮かべていた。
祐一妄想中……
「祐一さん、ここが痛いんですか?」
ギュウウウウウッ!
香里に刺されるか、父親に投げられた後、緊急入院して栞ちゃんに優しく「お手当て」して貰っている祐一クン。
「痛いっ、痛いっ」
患部をつねられて、包帯に血がにじみ出して来る。
「昨日はお姉ちゃんも痛がってたんですか? 恋愛なんて大嫌いな人ですから、経験ある訳ないですよね」
ギュウウウウウッ!
「痛いっ、痛いっ」
香里ちゃんに乱暴にされ、擦りむけちゃった所もつねられる。
「へえ、そうですか、お姉ちゃんと(ぴーー)て気持ち良かったんですか」
「言ってない、言ってない」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
四次元から何かを召還している栞ちゃん。
「ゴルディオンハンマーーー!」
「ひいいっ」
「光にっ、なれ〜〜〜〜っ!!」
「いやああ〜〜〜っ!」
やっぱり治る前には、ハンマーで足を砕かれるのがお約束らしい……
妄想終了
「しかし、どうして急に具合が悪くなったんでしょうねえ? あいつが嫌がっても、時々は検査を受けさせていたんですが」
「はあ、1月も2月も、栞さんが心配で、昼は食べてなかったみたいです」
「やっぱりそうでしたか、家でもほとんど食べてませんでしたから、体力が落ちていたんでしょうね」
「ええ」
「無理して食べていたのは、3月頃、栞が土日に外泊で帰って来た時ぐらいでしたか、何だか毎日痩せ細って行くのを見るようで、親としては辛かったですよっ」
また泣き
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